フランス料理の楽しみ方
ワインについて(後編)
前編ではワインの種類についてお伝えしました。一言でワインといってもいろいろな種類と味わいがあることがご理解いただけたかと思います。
後編では、みなさんがワインを選ぶ時の参考になるお話をしていきたいと思います。
ワインを選ぶ場面は、ご家庭で楽しむため、ギフト、レストランでの食事などいろいろとあると思いますが、今回はやはり、一番の難関?であるレストランでワインをオーダーする際を想定してご説明したいと思います。
- ワインの選び方とは
- ワインと料理の組み合わせをマリアージュ(フランス語で結婚の意)と表現しますが、まさに、言い得て妙です。
どこから見ても隙のない似合いの二人の完璧な結婚もあれば、一見不釣合いな二人の結婚がすばらしいハーモニーを醸し出す場合もあります。
ワインもしかり、お料理との組み合わせによって、相乗効果でよりおいしく感じられるのです。それぐらい、ワインとお料理の相性は重要だということです。
- 「う〜ん、ますますどう選べばいいのかわからなくなってしまった…」
そんな声が聞こえてきそうですね。
レストランでどのようにしてワインをオーダーすれば失敗が少ないか…。
そして、最適な一本に出逢えるか…。
結婚と同様、難しい問題ではありますが、尻込みせずに向き合えば、きっと出逢えるはずです。
- 肉は赤。魚は白。は本当か?
- これは、多くの方がご存知のワインのセオリーだと思います。
ただし、すべてがこれに当てはまるとは限らないのです。
- あっさりとした肉料理、たとえば豚のしゃぶしゃぶや薄めに切った豚肉の塩胡椒のソテーなら、白ワインが合うでしょうし、醤油やみりんをしっかり使った豚の角煮のようなコクのある料理であれば、しっかりとした赤ワインが合うでしょう。
- また、魚でも赤ワインをソースに使った料理や、海の香りの強い青魚などを選んだ場合、白ワインよりも軽めの赤ワインを合わせる方がベストな場合もあります。
肉には赤、魚には白ととらわれすぎず、ワインを選んでみてください。
- 迷ったときのハウスワイン
- ハウスワインは、ただ安いワインではありません。
ゲストに価格と味わいで納得していただけて、しかも料理と合わせやすく、あまり出回っていなくて、店の売り上げにも貢献できるものでなくてはならないのです。
グラスワインとして売ることを考えると、開けてすぐにおいしく飲めて、かつ、ある程度持ちのよいワインでなくてはなりません。
まさに、ハウスワイン選びは、その店のソムリエの腕の見せどころといえるでしょう。
- 料理に合わせて、違う種類のワインを楽しみたいと思うときには最適ですし、最近では、複数のグラスワインを用意しているレストランも増えてきました。
そんなレストランを選ぶことで、お料理が変わるごとに違うワインとのマリアージュを楽しめるというメリットがあるのが魅力です。
- ソムリエを味方につける
- 日本はソムリエ大国なのをご存知ですか?
ソムリエ資格を持つ人数では世界一らしいのです。それならば、私たちはもっとソムリエを相談役として活用しなくてはもったいないのではないでしょうか?
ワインがわかってくれば、自分で料理との相性を考えて選ぶ楽しみもありますが、そこまで行く道のりの最中でも、やはりおいしいワインをいただきたいですよね。その時に一番頼りになる存在がソムリエだと思います。
- 一番簡単なのは、予算を伝えた上で「今日のお料理に合うワインをお願いします」と伝えることでしょう。きっと、予算の範囲内で最適な一本を選んでくれることでしょう。
しかし、デートや接待の時など、はっきりと、予算を口に出来ない場合もあると思います。そんな時は、ワインリストを広げて、価格帯を指差して「このあたりの白でおすすめは?」といえば、同席者には、産地の話をしているかのように聞こえますし、ちょっぴり通な雰囲気を出すことができるでしょう。特に、デートの時はお勧めの技です(笑)
- ソムリエの仕事は、テレビドラマのように、大げさなジェスチャーでテイスティングして、長い薀蓄を語ることではありません。ゲストの求める情報を提供し、ゲストに最適なワインをお勧めしてワインとお料理のシナジー(相乗効果)を最大限に引きだすことが、ソムリエの使命です。
だからこそ、ゲストである皆さんには、ソムリエに対して疑問に思うことを質問したり、最適なワイン選びのために相談したりすることを気後れして欲しくないのです。
最後に
ワインの選ぶ基準は幅広く、いろいろな角度から見ることが出来ると思います。
自分の好みによるワイン選び、料理に合ったワイン選び、同席者の好みによるワイン選び…いずれにしても、臆することなくチャレンジして欲しいと思います。
レストランでは、ゲストであるあなたが主役です。
ソムリエを味方につけて、ワインとお料理のマリアージュを存分に楽しんでみてください。
参考文献:
ワインライフ入門 おしゃれに楽しむ世界のワイン
(発行)角川学芸ブックス
(著者)米野 真理子
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