フランス料理の楽しみ方

ワインについて(前編)

フランス料理のハードルを高くしている要因のベスト3にワインのチョイスが入っているような気がします。

『どのワインがいいのかわからない』『料理とワインの相性がわからない』『テイスティングってどうすればいいの?』『ソムリエに何を聞けばいいのかもわからない』などなどワインにまつわる悩みは多いようです。

言い換えれば、ワインという壁を乗り越えなくては、フランス料理を心から楽しむことは出来ないのかも知れません。
そんなワインの壁を乗り越えるべく、今回は前編、後編の2回にわたってワインの基礎とレストランに行った時のオーダーの仕方などお伝えしていきたいと思います。

ワインの基礎知識
ワインとは…ぶどうを発酵させたもの。ぶどうの種類や製法によって次のように分かれます。
<ワインの種類>

  • スティルワイン(非発泡性ワイン)
    炭酸ガスを含まない赤・白・ロゼで辛口〜甘口まである。
  • スパークリングワイン(発泡性ワイン)
    通常、ガス圧3気圧以上のもの。
    (※)シャンパーニュはシャンパーニュ地方で厳しく定められた製造法で作られた発泡性のワインを指します。それ以外を、スパークリング・ワインと呼び区別されています。
  • フォーティファイドワイン(酒精強化ワイン)
    醸造工程でアルコール40度以上のブランデーまたは、アルコールを添加したもの。
    ポートワインやマディラ酒、シェリー酒などがある。
  • フレーヴァーワイン
    ワインに薬草・果実・甘味料・エッセンスを加えたもの。ヴェルガモットなどがある。
<ぶどうの品種>
ワインに使われる代表的な12品種を理解しましょう。
使われている品種がわかれば、そのワインの特性や、どんなワインを作りたいのかという作り手の思いが何となく伝わってくるのです。自分で、選ぶ場合の参考になることでしょう。
☆赤ワインのぶどう品種

  • カベルネ・ソーヴィニヨン
    世界で一番多く生産されている品種。酸味は比較的高めながら、タンニンが豊富で重厚な味わいが楽しめる。
  • メルロー
    ふくよかでタンニンは十分にあるが、果実味の中に溶け込み渋みは少なくやわらかい。
  • シラー
    世界各地で人気上昇中。パワフルでスパイシーな品種。
  • ピノ・ノワール
    香り高く、気品があり繊細な品種。酸味は他の品種に比べると高い。
  • グルナッシュ
    スペイン生まれ、フランス育ちの品種。タンニンの渋みは低めで酸味も低め。
  • サンジョヴェーゼ
    温暖な気候で栽培されても比較的酸味を残す品種である。
☆白ワインのぶどう品種

  • シャルドネ
    広範囲で栽培されているため、味わいは幅広い。軽く酸味の強いものから、重厚な酸味のやわらかいものまである。
  • ソーヴィニヨン・ブラン
    基本的に軽快で酸味が高く、貴腐ワインにブレンドされて使われる以外は、辛口である。
  • リースキング
    繊細な香りと上品な酸味が際立つ高貴なドイツ代表。
  • セミヨン
    潜在アルコール度数が高く、粘着性のあるワインを生む。貴腐ワイン用に用いられる。
  • マスカット(ミュスカ)
    酸味は低めで、ボリュームは中程度。甘口のワインにつくられる。
  • シュナン・ブラン
    酸味は比較的豊富だが、加熱させると減る。安ワインから超甘口高級ワインまで変幻自在。
ワインのおいしさの表現

  • ボディ
    コクや味の重さをあらわす果実の濃縮したエッセンス
    アルコールの強さ
    印象に残るワインはボディがあるといえる
  • アロマ
    ぶどうそのものの香り(若いワインほどアロマが強い)
  • ブーケ
    アロマがぶどうそのものの香りであるのに比べ、ブーケは発酵や熟成によって得られる複雑な香り。

以上が、押さえておくとよりワインを理解することができるワインの基礎です。
何事も、基礎は大切。理解することによって、あなたにぴったりのワインにであるかもしれません。
また、レストランでのワイン選びで頭を悩ますことが少なくなり、ちょっぴり苦手だったソムリエとの会話も盛り上がりを見せるかも!

次回は、ワインの基礎を踏まえた上で、どのようにオーダーすればいいのか?
また、どういう楽しみ方があるのかなどお伝えしたいと思います。

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