plaisir de la table
プレジール・ドゥ・ラ・ターブル
“フランス料理”と聞いてまず腰が引ける原因の多くは、『オーダーの仕方が分らない』という意見です。
オーダー方法がいまひとつ分からないため、面倒くさくなり、つい「コースでお願いします」というスタイルになってしまう傾向があるようですね。
もちろん、コース料理は、その季節の美味しい食材やシェフのおススメ料理が組み込まれていて魅力的ではありますが、お腹の具合によっては、コース料理では少し重たかったり、好みの料理をしっかりと食べたかったりする場合もあると思います。
それに、予算的なことも頭に入れて決めたいところです。
そんな時、スマートに、自分の好みにあったオーダーが出来ればよりフランス料理が身近に感じることでしょう。
まず、フランス料理レストランでは、アラカルト(単品)とコース料理のある店、アラカルトのみの店、コース料理のみの店があります。一般的なのはアラカルトもコース料理もある店ですが、今はレストランも多様化しているので事前(予約時)に確認しておく方が良いでしょう。
コースを選んだ場合、一皿の量は、アラカルトよりも少なめに設定されています。
好きなものをたくさん頂きたい場合は、アラカルトでの注文がおススメです。
次にコース料理を基本に、料理の流れを見ましょう。
最初に「食事の前に、何かお飲み物は…」と尋ねられたら、食前酒を勧められています。
必要なければ断ってもかまいませんが、アペリティフを頂きながらメニューを決めていくというのも余裕が感じられて素敵ですね。
本場フランスでアペリティフの時に良く飲まれているキール(クレーム・ド・カシスに冷やした白ワインを注いで作った食前酒)やペルノー(ヨモギを漬け込んだお酒)など楽しんでみてはいかがでしょう。
店の形態などによってコースの組み立てが変わってくる場合もあります。 最後のプティフールは焼き菓子やチョコレートが出てきます。もしもお腹がいっぱいで食べられない時は、持ち帰りたい旨を伝えてください。大体の場合は対応してくれるはずです。
一番、ハードルが高いと敬遠されがちなのが、この『アラカルトでのオーダー』ですので、ここはしっかりと解説したいと思います。
まず、自分の食べたいメインの料理を選んで下さい。
魚料理なら、肉料理系の前菜、お腹のすき具合で、スープを注文し、デザートを選びます。
肉料理なら、軽い魚介系の前菜、そして、スープ、サラダで量を調整します。
この時、メニューの中で、解らないものは、遠慮せずに、何でもサービススタッフに聞いて下さい。それにお答えするのがプロの仕事ですから。メニューに載っている料理は、お客さまに解らないのが当然で、何も恥ずかしがる事ではありません。
ただし、アラカルトの場合は前述した通り、量が多いのでアレコレ頼みすぎると食べきれないこともあるのでご注意ください。
ビストロやブラッスリーなどのカジュアルなお店の場合は、ひとつのお皿を分け合ってもかまいませんが、それ以上のクラスのお店の場合は、基本的には分け合うのではなくサービススタッフに伝えてお皿をチェンジしてもらう方が無難です。勝手にお皿を交換することは美しくありません。
コースの場合は、全て内容が決められていますから、あとは内容と価格を照らし合わせてどのコースにするか?を選べば問題はありません。
ただしアレルギーなど気をつけなくてはならない食材がある場合は、相談してみてください。
また、最近、前菜やメインをリストアップされたいくつかの料理の中から選び、自分の好きなコースに仕立てるというプリフィクススタイルが台頭してきています。
この場合も、アラカルトのときと同じように、自分の好みで選んでかまわないと思います。
組み合わせの相性が分らない場合は、サービススタッフに聞いてみるのもひとつでしょう。
分らないことは、恥ずかしいことではありません。
分らないことを、サービススタッフに聞いてみることがオーダーに自信をつける第一歩です。
店のスタッフは、『お客様にどんなことを聞かれてもすぐにお答えできるように…』と様々な勉強をしています。折角なのですから、どんどん質問してみてください。あなたが思う以上に喜んでアレコレ答えてくれるはずです。
オーダーはちっとも難しくありません。店のスタッフを味方にして、もっと、気楽に、自由にフランス料理を楽しんでみてください。
本ページ協力:キャリエールホテル旅行専門学校
教務部 槇塚 康直先生
シニアソムリエ、レストランサービス技能検定一級技能士、調理師免許などの資格を持つ講師。
『リストランテ ポンテベッキオ』や『レストラン ポンドシェル』などでソムリエとして従事した豊富な経験をもつ。
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