フランス料理博物館 プレジール・ドゥ・ラ・ターブル

Vol. 6  5月

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2008年9月3日にサイトオープンした米津春日の主宰するフランス料理博物館

plaisir de la table(プレジール・ドゥ・ラ・ターブル)より、フランス料理に

まつわる様々なお話しを、お届けするために発行いたします。

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皆様お元気でお過ごしでしょうか。

爽やかな気候になって参りました。

5月は連休、お出かけになる方、お家でお過ごしになる方、
それぞれに、おいしいものを召し上がってお楽しみになることでしょう。

  今月はサラダのお話しをしましょう。

Salade サラダの語源は、
南仏のポロヴァンサル方言から出た言葉です。

サラダのプロヴァンス語は、Salada
ラテン語の「塩」Salに、
プロヴァンス語の接尾辞adaがくっついて出来ています。

接尾辞は、語尾に加わり、それの加わらない元の語に、
多少違った意味を添える働きをします。

塩のラテン語Salは、フランス語ではSelとなりますが、
それはラテン語の「海」Mareが
フランス語のMerとなるようにa>eの変化をしたものです。

Saladaの語尾aは、力点がない為弱まって、
消えかかっていて、綴りもeになります。

テーブルのTabula(ラ)>Table(ル)のように。

辞書によると、La Salade は、
塩味を付けた食べ物「Mets sale]を意味したとあります。

序でながら、仏国に古くから次の様な俚言があるそうです。

それによると、サラダを上手に仕上げるには、
三人の人が要るのだそうです。
一人は塩加減する利口な人、
もう一人は酢を入れるケチンボウ、
三人目は油係の贅沢者、

これを言い始めたのは、リトレ大辞典サラダの項では、
セザール・ピエール・リシュレ(1631-1698)という
辞典編集者だったように思われます。

ほかに、もう一役多くして「混ぜ合わせる役は無茶苦茶な人」
を加えてものもあります。これは三人のものを。
後世、面白、おかしくする為にお添えものとして
追加したのかもしれません。

紀元前400−500年頃、 
Cichorium-- Chicory キクニガナ
Laetuca--Lettuce レタス、があったと記されており

当時ローマ時代は、生野菜を食べるのは
貧乏な人達で、裕福な人達はそれを軽蔑していたようです。

17世紀頃までのサラダは、
サラダ菜に、酢、塩、油をかけて、混ぜ合わせて食べていました。

料理術が発達してくると、
トリ・エビ・カニ・ハムなどを混ぜ合わせ、
色彩、形よく盛ったものが考え出されたようです。

仏国の有名な食通ブルア・サヴァラン(1755-1826)は
「チーズのないデザートは、
片目のない美人の様なもの」と云いましたが
「サラダのないディナーは、
盲目の美人の様なもの」とも云ったでしょう。

サラダの美味しい食べ方は
先ず、切った生野菜を冷水につけてパリットさせます。
そして、食べる直前までよく冷やます。
肝心な事は、食べる直前に和えます。

サラダの種類は大別すると

* メインディッシュの後に出すサラダ
  レタス・セロリ・胡瓜・トマト・アスパラガスなどを、
  混ぜ合わせたり、個々にかたち良く盛りつけた
  コンビネーションサラダなど。

* 前菜として出すサラダ 
  冷製料理の付け合わせとするサラダ
後者は、煮た野菜などで作ります。

前菜のサラダをひとつご紹介しましょう

 アンディ−ブと小海老のサラダ 苺のドレッシングです

  材料 4人前として 
  小海老200c・アンディ−ブ100c
  かいわれ菜ひとつまみ

  海老を煮る為に:水400t・砂糖20c・塩10c

  苺のドレッシング
  苺を裏漉ししたもの200t(10〜12粒位)
  サラダオイル100t 
  レモンジュ−ス1/2個分・塩・胡椒

  作り方
1 海老を煮ます。水、砂糖、塩を鍋に入れ煮立ったら、
  背ワタを取った海老を入れ、
  再び、煮上がって来てから1分ほど煮ます。
  海老が赤くなり、胴の身がしっかりと曲って来れば
  火が通っています。
  ざるに上げてラップをかぶせて冷まします。

2 アンディ−ブは斜め細切りにして、
  かいわれ菜と共に冷水に付けてパリッとさせ
  ざるに上げて水気を切ります。

3 苺はへたを取り、洗って、裏漉しするか、
  さっとミキサ−にかけます。 
  かけすぎると泡立って仕舞います。
  サラダ油とレモンジュ−スを入れ、
  軽く塩、胡椒をします。

  海老の殻をむき、横半分に切り、
  アンディ−ブと混ぜお皿に盛ります。
  苺のドレッシングをよく混ぜて、
  サラダにかけてすすめます。
                       
* 苺のない時は、良く熟したトマトの皮をむき、
  種を取り除いて、裏漉しするか、
  ミキサーにかけます。

 お料理のご質問は、どうぞメールでお問い合わせ下さい。


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