フランス料理博物館 プレジール・ドゥ・ラ・ターブル

Vol.58 2013年9月


フランス料理博物館 plaisir de la table

(プレジール・ドゥ・ラ・ターブル)は、

試行錯誤をくり返しながら、内容の充実に取り組んでおります。

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さて今回はグラタンのお話をしましょう。

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グラタン(仏: gratin)は、元来、鍋の底の
お焦げ」のことを指します。
このことから、オーブンなどで料理の表面を
焦がすように調理した料理の名称となりました。

フランスではドフィネ地方の郷土料理に、
ジャガ芋、生クリーム、グリュイエールチーズを
使って、オーブン焼きしたグラタンがあります。

日本で一般的に知られている洋食のグラタンは、
ベシャメルソースと具(魚介類、肉、野菜、マカロニ、
米、コンビーフなど)を絡めて、耐熱皿に盛り、
チーズをかけて器ごとオーブンで焼いた料理です。

そこで良く混同されるのがコキールです。
コキールは貝殻の事です。
ちょっと乾いたような感覚の白くて、大きな
帆立貝の殻が、料理を盛りソースをかけて
グラタンにするのにちょうど手頃なので、
グラタン用の器に使われており、
コキール=グラタンと呼ばれていますが、
冷たい料理でも貝殻に盛ると、コキール
呼びます。

オニオングラタンスープは、玉葱をあめ色に
なるまで炒めます。コンソメを注ぎ、
耐熱カップに入れてフランスパンを一切れ浮かべ
グリュイエールチーズをふりかけてオーブンで
焼いたもので、スープ・グラティネと呼ばれます。
寒い季節になると、フランスでは家庭や屋台でも
大人気なものです。

グラタンと云えば、ドリア (Doria) は、米を使った
料理のひとつで、ピラフなどの上に、海老、カニ、
ビーフなどをのせ、ベシャメルソース(ホワイトソース)
をかけてオーブンで焼いた料理ですね。
その発祥は、日本の横浜、1926年(大正15年)7月に
開業した横浜ホテルニューグランド初代総料理長、
サリー・ワイル
が創作した料理で、米飯に芝エビの
クリーム煮をのせ、チーズをかけてオーブンで焼き
上げたものが現在のドリアの始まりと云われております。

このドリアとは別に、イタリアの貴族・ドリア一族
ためにパリのレストランが創作した、イタリア国旗の
三色にちなんでトマト、キュウリ、鶏卵
などの材料を
使って作られた料理もあり、フランス料理では通常
ドリア風」といった場合、キュウリを添えることを
意味します。

フランス料理には、 トゥールヴィル(Tourville) と
云う料理があります。
グラタン皿にリゾット(バターとスープで煮た米)を敷き、
中央に、オマール海老、マッシュルーム、かき、ムール貝、
トリュフの薄切りをおき、グラタン用の白ソースをかけ、
チーズを振りかけて焼き色をつけて仕上げます。
サリー・ワイルド氏はこの料理からヒントを得て、
ドリアを考案したのではないでしょうか。

それでは、家庭風にアレンジした
ドフィネ風ポテトのグラタンを作ってみましょう


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ドフィネ風ポテトのグラタン

 材料 4人前
 ・ポテト(メークイン) 500g
 ・牛乳 400cc
 ・にんにく 1片
 ・塩、胡椒
 ・ピザパイ用のナチュラルチーズ 100g

 作り方

 1 平鍋に牛乳を300cc入れます。
   ポテトの皮をむいて、縦四つ割りにして、
   厚さ3mm位に切り、牛乳を入れた鍋の中に
   落とします。
   ポテトを水にさらすとでんぷん質が流出
   するからです。

 2 鍋を火にかけ、煮立ったら弱火にして、
   ふたをし、時々そっと混ぜながら、
   6〜7分間煮ます。
   まだ少しかたい位で火を止め、残りの
   牛乳を加え、塩、胡椒をします。

 3 にんにくを半割りにして、その断面を
   グラタン皿の内側にこすりつけて、
   香りをしみこませます。
   その中に牛乳で煮たジャガ芋を流し入れ、
   チーズを一面に振りかけます。

 4 220℃〜230℃のオーブンに入れ、
   ポテトが柔らかくなり、表面にこんがり
   焼き色が付けば出来上がりです。

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☆ お知らせ

 ムッシュ米津の家庭料理のページでは
 『米茄子と海老のグラタン』の作り方を
 ご紹介しています。

 http://www.plaisirdelatable.jp/cooking/index.html

 オーブンの上手な使い方を参考にして、
 グラタンを上手に焼き上げてみてください

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 フランス料理に役立つ「フランス料理の食材・機材」では、
 料理に使っていただきたい最高の食材と機材をリンクで
 ご紹介しております。

 http://www.plaisirdelatable.jp/food/index.html

 今月は『バドワ(微発泡水)』『サラダほうれん草』
 ご紹介しております。

こちらのコーナーも、ぜひご活用ください。

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