フランス料理博物館 プレジール・ドゥ・ラ・ターブル

Vol.57 2013年8月


フランス料理博物館 plaisir de la table

(プレジール・ドゥ・ラ・ターブル)は、

試行錯誤をくり返しながら、内容の充実に取り組んでおります。

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暑い夏がやってきました。
今回はスイカのお話をしましょう。

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スイカ

分類はウリ科 スイカ属スイカ、英名:ウオーターメロン
(Watermelon)です。
スイカ(西瓜)は、果実を食用にするために栽培される
ウリ科のつる性一年草。また、その果実のことです。
原産は、熱帯アフリカのサバンナ地帯や砂漠地帯と云われ。
日本に伝わった時期は定かでないが、室町時代以降
されています。
西瓜の漢字は中国語の西瓜(北京語:シーグァ xigua)に
由来し、スイカという日本語発音も広東語のサイクワァ
訛り転化したものです。
中国の西方(中央アジア)から伝来した瓜とされるため
この名称が付きました。

夏に球形または楕円形の甘味を持つ果実を付け、
果実は園芸分野では果菜(野菜)とされていますが、
青果市場での取り扱いや、栄養学上の分類では
果実とされています。

果実の外観は緑色に深い緑色の縦縞が入ったものが
一般的ですが、薄緑色のものや黒に近い深緑色の
ものもあります。
同じウリ科の果菜類であるメロンは、主として
甘く熟した果皮の部分を果肉として食べますが、
スイカの果皮は内側の薄い層しか甘く熟せず、
主に種子をつける胎座の部分を食用とします。

日本で縦縞模様の品種が広まったのは昭和初期頃
言われ、それまでは黒色の無地で「鉄かぶと」と
呼ばれていました。
果肉の色は赤もしくは黄色。大玉の品種で糖度
(ブリック)は11〜13度程度で、果実中心及び
種子周辺の果肉の糖度が最も高いです。

スイカの果肉及び果汁を加熱濃縮して、西瓜糖
(すいかとう)と呼ばれる食品が作られます。
ジャム状の食品で砂糖が入っていませんが、
スイカ自体の糖分によって甘味があります。
ジャムや甘味料の代わりとしても用いられますが、
健康食品として用いられる事が多く、この他、
ジェラート、ゼリー、缶詰にされる事もあります。

アジアでは種子を炒って歯で割り、中身を食べる
地域が多くあります。
中国では西瓜子と呼ばれ、酒のつまみ、料理、
菓子などに用いられており、炒って味付けされた
ものは日本に輸入されています。
またスイカの原産地であり利用や栽培の始まった
アフリカでも、種子を炒って粉末にするなどし、
食材として利用する食文化が存在します。
特に原産地に自生する果肉の苦味の強い近縁種は、
果肉自体は人間の食用に適さないので飲料水以外の
生活用水
として利用し、種子のみを食用とします。
また、スイカの皮や、より品質の高い果実を収穫
するために 摘果した小さな未熟果実の漬物・
ピクルス
もポピュラーなものです。

スイカの季語

スイカは秋の季語としても用いられます。
これはスイカの旬が立秋(8月7日頃)を
過ぎる頃なので、この時期は暦の定義では
秋になり、秋の季語として使われるわけです。
近年の歳時記では時代に即して夏の季語とする
ものもあります。
また、盂蘭盆施餓鬼を行う地域では、餓鬼棚
スイカを添えることがあります。
これは、餓鬼となった亡者の喉の渇きを癒す為
でもあるとされています。

スイカ割り

夏の楽しみの一つに、スイカ割り(すいかわり)が
あります。
用意したスイカの果実を、目隠しをした人が
周囲の声だけを頼りに割る遊びです。
一般的には海水浴場などの砂浜で行われることが
多いのですが、保育園・幼稚園の園庭や、各種
イベント会場などでも行われます。
スイカ割りは、日本の夏の風物詩であります。

割った後のスイカは食べるのが普通ですが、
砂浜で割るとスイカの断面に砂が付着して、
食べるには適さない状態になる事が多いことから、
スイカの下にいわゆるレジャーシートや段ボール
などを敷いて行います。

ここに日本すいか割り協会公式ルール
ご紹介しましょう。
農業協同組合(JA)が設立した「日本すいか割り協会
(Japan Suika-Wari Association)
」が、1991年に
定めた「公式ルール」です。
なお、JSWAはJAがスイカの消費拡大を目的として
行ったキャンペーンのために設立されたものであり、
現在は存在していません。
その公式ルールとは
 ・スイカと競技者の間の距離は5m以上7m以内。
 ・棒は直径5cm以内、長さ1m20cm以内。
 ・目隠し用手ぬぐい JSWA公認のもの(詳細不明)。
  目隠し度合いの確認のため1万円札を競技者の前に
  落としてみる。
 ・使用するスイカは国産スイカ(よく熟れたもの)。
 ・制限時間 3分。
 ・判定 割れたスイカの断面の美しさによって
  審判員が判定する。
 ・最も美しいとされるスイカが2つに割れて、
  その2つの大きさが均等という状態を満点として
  割れた部分の大きさの不均衡具合によって
  減点法で採点する。
 ・その他:審判員は、その年のスイカを10個以上
  食べている必要がある
以上、お遊びの権威付けになさっては如何ですか。

あと、スイカを使ったデザートを紹介しましょう。


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スイカをのせたヨーグルトのブランマンジェ

 材料 コーヒーカップ 5〜6個分
 ・プレーンヨーグルト 200g
 ・砂糖 50g
 ・牛乳 50cc
 ・粉ジェラチン 5g(市販のゼライス)
 ・水 25cc

 作り方

 1 水25ccをボールに入れ、粉ジェラチンを
   ふり入れてふやかしておきます。

 2 鍋に牛乳と砂糖を入れて沸かし、
   火から下ろして先のジェラチンに加え、
   良くかき混ぜます。

 3 氷をはった容器にこのボールをつけ、
   ゴムベラでかき混ぜながら充分に冷やします。

 4 ヨーグルトを加え、泡立器で混ぜ合わせ、
   コーヒーカップへ均等に流し入れ
   冷蔵庫で冷やして固めます。

 5 スイカの果肉の種を取り、1.5cm位の角切り
   にして、ブランマンジェの上一面にのせます。

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☆ お知らせ

 ムッシュ米津の家庭料理のページでは
 『若鶏の赤ワイン煮』の作り方を
 ご紹介しています。

 http://www.plaisirdelatable.jp/cooking/index.html

 フランスの家庭では、良く作られるお料理です。
 レストランでは、少し上等の赤ワインを使って…

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 フランス料理に役立つ「フランス料理の食材・機材」では、
 料理に使っていただきたい最高の食材と機材をリンクで
 ご紹介しております。

 http://www.plaisirdelatable.jp/food/index.html

 今月は『四角いメロン』『アボカド』
 ご紹介しております。

こちらのコーナーも、ぜひご活用ください。

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