フランス料理博物館 プレジール・ドゥ・ラ・ターブル

Vol.52 2013年3月


フランス料理博物館 plaisir de la table

(プレジール・ドゥ・ラ・ターブル)は、

試行錯誤をくり返しながら、内容の充実に取り組んでおります。

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今月はウェールズのウサギのお話しです。

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ウェールズ人の好物にチーズトーストがあります。
一般にウェルッシュ・ラビット(Welsh Rabbit
”ウェールズのウサギ”)と言われていますが、
ウェールズ人はこれに目がなく、今でもこの
チーズトーストとウェールズ人に関するジョークが、
いともそれらしく語られています。

天国の門の鍵を預かる聖ペテロは最近天国の住人から
苦情を多く受けていた。
近頃天国にウェールズ人が増えすぎ、天国の安寧が
妨げられているというのである。
訴えによると、ウェールズ人は朝から晩まで大声で
歌を歌い、騒がしいことこのうえない
なんとかしてくれ、ということである。
そこで聖ペテロは一計を案じた
ある日彼は天国の門を大きく開け放ち、門の外に1人の
天使を立たせ、大声で次のように叫ばせたそうである。

みなさ〜ん、ウェルッシュ・ラビットが
 出来ましたよ〜!


これを聞いた天国のウェールズ人たちは、我先にと
その声のする方向に駈けだした。
彼らは次々に天国の門を出ていった。
最後の1人のウェールズ人が門から出ていったことを
確認した聖ペテロは、門を閉じることを命じた。
このようにして、それ以来天国は以前の静けさを
取り戻した
という。

この話はテューダー王朝の宮廷で大いに好まれた
という事で、作者は詩人のジョン・スケルトンだと
言われています。
この背景には、ヘンリーが王位についたとき、
宮廷下級職に多くのウェールズ人を採用したため、
宮廷ではウェールズ人が幅をきかせ、また聞き慣れない
ウェールズ語が蔓延したことがありました。
このジョークは、そのあたりの事情をふまえたものかも
しれません。

では、私なりにアレンジしたウェルッシュ・ラビットの
作り方をご紹介しましょう。

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ビール風味の焼きチーズ ”ウエールズの兎”

 材料 2人前(グラタン皿)
 ・プロセスチーズ 100g
 ・黒ビール 50cc
  (ない時は普通のビールか白ワイン)
 ・サラミソーセージ 15g
 ・玉葱 15g
 ・カイエンヌペッパー(一味唐辛子) 少量

 ガーリックトースト 1人前 3枚
  薄く切ったフランスパンを、オーブントースターで焼き、
  にんにくを切ってその断面を軽くパンになすります。

 作り方

 1 サラミ、玉葱は細かく切って混ぜておきます。

 2 チーズを刻んで黒ビールと共に鍋に入れ、
   かき混ぜながら煮溶かし、カイエンヌを
   ひと摘み入れます。

 3 グラタン皿にガーリックトーストを敷き、
   サラミ、玉葱を散らし、の上を溶かした
   チーズで均等におおいます。

 4 オーブントースターで軽く焼き色を付け、
   熱い内に供します。

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本場のウェルッシュ・ラビットのレシピーも添えますのでお試し下さい。

 ・120g (4 ozs)grated cheese
 ・3 tablespoons of milk
 ・30g (1 oz) butter
 ・Pepper, salt Mustard if required
 ・Beer if required
 ・Slice of toast

 作り方

 Place the cheese and milk into a saucepan and
 slowly melt adding the salt and pepper and stir.
 A little mustard or beer can be added if desired.
 When piping hot pour the mixture over the toast.
 Brown under the grill.

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次にもう一品、チーズフォンデュを作りましょう。

プロセスチーズのフォンデュー

 材料 2人前
 ・プロセスチーズ 150g
 ・白ワイン 大匙4杯(60cc)
 ・片栗粉 小さじすり切り1杯
 ・塩、胡椒

 付け合わせ
 ・生野菜のスティックス(人参・胡瓜・セロリー等)
 ・フランスパンを2cmくらいの厚さに切り、
  軽くオーブン焼きして4〜6に切ったもの、2枚分。

 作り方

 1 付け合わせは、適量づつ用意して盛り合わせて置きます。

 2 直径18cm位の、テフロン加工をしたフライパンに、
   白ワインと片栗粉を入れ、よく混ぜます。
   チーズを入れて弱火にかけ、よく混ぜながら
   チーズを溶かします。
   鍋のまま食卓に出して熱いうちに召し上がって下さい。

 3 お好みのものを、チーズに付けて召し上がって下さい。

*チーズを溶かす鍋はテフロン加工のフライパンだと、
 洗浄し易いです。


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☆ お知らせ

 ムッシュ米津の家庭料理のページでは
 『イタリア風鶏の煮込み プリマベーラ』
 作り方をご紹介しています。

 http://www.plaisirdelatable.jp/cooking/index.html

 イタリア語でプリマベーラは春。
 今日は菜の花を添えてみました。

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 フランス料理に役立つ「フランス料理の食材・機材」では、
 料理に使っていただきたい最高の食材と機材をリンクで
 ご紹介しております。

 http://www.plaisirdelatable.jp/food/index.html

 今月は『ベジタブルゼラチン』
 『一寸そら豆』をご紹介しております。

こちらのコーナーも、ぜひご活用ください。

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