Vol 4 March 2009


フランス料理博物館 プレジール・ドゥ・ラ・ターブル

☆ このメルマガの内容とは

2008年9月3日にサイトオープンした米津春日の主宰するフランス料理博物館

plaisir de la table(プレジール・ドゥ・ラ・ターブル)より、フランス料理に

まつわる様々なお話しを、お届けするために発行いたします。

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皆様お元気でお過ごしでしょうか。3月の声を聞くと暦の上ではもう春です。

入学祝い、歓送迎会などのお食事、お鍋を囲んで「すき焼き」「しゃぶしゃぶ」
などなさる機会が多いと思います。

そんな時は美味しいお肉が頂きたいですね。さて牛肉選びですが、
どなたでも、判断の基準はお値段でしょう。

今日は特に美味しいお肉をとお思いの時は、高い方からお選びになるでしょう。
たしかに高いお肉は上等です。

しかし同じ牛でも肉の部位によって値段のランクがあります。
鞍下のロースがAランクならば、と肩肉はBランクです。従って値段も違います。

そこで先ずAとBを見比べます。
鮮紅色で、脂肪の白色が鮮やかに交雑する霜降り肉、肉に艶があり、
きめ細かく、柔らかそうな点をよくご覧下さい。
ABあまり変わりがなければ迷わずにBを選びます。
同じ牛でただ部位の違いで値段に差が出来ていることなのです。
これが牛肉選びのこつです。


美味しい牛肉の代表といえば神戸牛と、誰しもが思い浮かべることと思います。
ではそのルーツをたどって行きましょう。 

慶応3年12月7日(1868年1月1日)神戸が
我が国初めての貿易港として開港しました。
当時、外国人が神戸で牛肉を食べ、その味の良さが知られて以来、

神戸牛としてその名は国際的なものとなり、日本に来る楽しみは、
風光明媚な土地を観ることと、神戸牛を食べることである、と云われたそうです。 

和牛は何故美味しいか
肉を口にした時の、柔らかさ、味わい、脂肪と肉の混ざり合った風味などで、
肉の美味しさが決まります。

美味しい食肉に育てる
牛はただ単に飼うものでなく、飼育する環境、飼料、
ブラッシング(手入れ)等をこまめに配慮し、
愛情と汗の積み上げで、3年もかけて創りあげるものなのです。

肉牛の種類
我が国で飼育されている肉牛は、
肉専用種いわゆる和牛、乳用種、交雑種に分けられます。


和牛も国産の牛に違いありませんが、和牛というのは品種名で、
産地とは全く関係なく,
「肉専用種」である、黒毛和種・褐毛和種・日本短角種・無角種の
4品種だけが和牛に限定され、

ほかの品種、特に国産牛を和牛と称することは禁止されています。

銘柄牛
和牛を育てる環境によって肉質が異なってきます。
牛肉の産地にはそれぞれその地域の気候があり、
また育て方、与えるえさなども産地ごとに異なります。
このことから牛肉は産地ごとに独特の味をもつことになります。

また明治末期の農務省の調査では、肉牛の中で名のあるものとして、
神戸牛の名がみえます。
但馬牛、三田牛、松坂牛、佐賀牛など数々の名牛の、
「もと牛」はすべて黒毛和種なのです。  
            
国産牛=和牛と思っている方が多いと思いますが。
国産牛とは、和牛以外の日本で飼育された牛、となります。

乳用種」、(ホルスタイン)) 牛乳を取るための牛ですが、雄は肉用にもなります。肉質は赤身が多く柔らかいのが特徴です。味は和牛に比べると淡泊です。
交雑種」 生産コストの引き下げ、肉質の向上を目的に肉専用種と乳用種を交配させた品種です。
ホルスタイン種(乳用牛)・交雑種(F1)、アンガス種・ヘレホード種などです。

なぜ国産牛が外国の牛なのか
国産牛の中には、輸入牛と同じ品種の牛がいて、そのほとんどは、ホルスタイン種です。
和牛とホルスタイン種をかけあわせた交雑種も国産表示されています。表示が国産牛だけだったら、ホルスタインやホルスタインと他の品種を交配した交雑種と考えた方がいいでしょう。

少し専門的になりますが、肉の格付けについてお話しします。

牛肉の格付けには
歩留まり等級 A,B,Cの3段階で Aが最高
生体から、皮、骨、内臓、などを取り去った肉を枝肉といいます。
この時生体からとれる枝肉の割合が大きい程、等級が高くなります。

つまり同じ体重の牛でも、沢山肉のとれる方が良いと云うことです。

肉質等級 5,4,3,2,1の5段階で 5が最高
まず「脂肪交雑」、「肉の色沢」「肉のしまりときめ」
「脂肪と色沢と質」
の4項目について評価が行われます。
そして4項目の総合的な判定から最終的に肉質等級が決定します。
ではそれぞれの項目は何を表しているのでしょうか。

最初に「脂肪交雑」ですが、これは霜降りの度合いを表しています。
BMS(ビーフ・マーブリング・スタンダード)という判定基準があり、
これによって評価されます。

「肉の光沢」は肉の色と光沢を判断します。
「脂肪交雑」と同様に、肉の色にはBCS(ビーフ・カラー・スタンダード
という判定基準が設けられています。
一般に鮮紅色が良いとされています。
また光沢については見た目で評価されます。

肉のしまりときめ」は見た目で評価されます。
肉のきめが細かいと柔らかい食感を得ることが出来ます。

最後に「脂肪と光沢と質」ですが、
まず色が白またはクリーム色を基準
に判定され、
更に光沢と質を考慮して評価されます。

実際の表示では、二つの等級を組み合わせて
Aー5,Bー3という様に表示
しています。

歩留まり等級が3段階、肉質等級が5段階ですから牛肉の等級は全部で15段階あることになります。

最高ランクであるAー5に評価される牛肉はほぼすべてが和牛です。
といっても育てられた和牛のほとんどが
Aー5と評価されるわけではありません。
ごく少数の選び抜かれた牛だけが最高のランクとなるのです。

割合でいくと約15%でしかありません。
また交雑種がA−5,Bー5になることもありますが非常にまれなケースです。

一般的に和牛はAクラスに、
その他の牛はBクラスに評価されることが多いです。

つまり和牛は1頭から多くの肉を得ることが出来、
肉用牛として最適な牛であるということが出来ます。
米津 春日

☆ あとがき

美味しい肉の条件をいろいろと書きましたが、
見た目の判断と現実の味とに、違いだあることにしばしば出会います。
見て、手で触れて、味わって覚えるのが牛肉選びです。
皆様の、上手な牛肉選びのお手伝いが出来れば幸いです。


☆ 下記のページもぜひ開いてご覧下さい。

フランス料理の楽しみ方 http://www.plaisirdelatable.jp/plaisir/index.html

ムッシュ米津の家庭料理 http://www.plaisirdelatable.jp/cooking/index.html

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