フランス料理博物館 プレジール・ドゥ・ラ・ターブル

Vol.38  2012年1月


何時もメールマガジンをご覧頂き、厚く御礼申し上げます。

今年も 試行錯誤 しながら前進したいと思いますので

宜しくお願い申し上げます。

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新年のご挨拶を申し上げます。
2012年は幸多き年でありますように、
心よりお祈り申し上げます。

今日は、「」についてお話をしましょう。

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◆日々の生活の中の塩 (1)

塩の歴史は古く、原始時代、人間は鳥獣や魚を捕って飢えを凌いでた頃から、
生活してゆくのに欠かせないものでした。

◆塩と生理

塩は人体にとって欠かす事の出来ない成分です。その理由は、
体内、特に体液に存在し、浸透圧の維持に努めているからです。
健康時の血液中には、0.9%の濃度で食塩が含まれており、
食塩は、ナトリュウムと塩素が1分子ずつ結合した化合物で、
このナトリュウムは、体内で炭酸と結合し重炭酸塩となって、
血液やその他の体液のアルカリ性を保つのに役立ちます。
また燐酸と結合したものは緩衝剤としての働きを持ち、
何らかの原因で酸やアルカリが体内に増えても、
体液の酸度が動かないよう調節する重要な役割をもっています。
またナトリュームは、胆汁、膵液、腸液など、アルカリ性消化液の成分で、
もし食塩の摂取量が不足すると、これらの消化液の分泌が減り、
食欲が落ちる事になります。長期にわたって食塩が不足すると、
全身の脱力、倦怠、精神不安定などが起きます。
塩の必要量は、食事の主力が動物性か植物性であるかによって多少異なります。
我が国では成人一日に8グラム〜10グラム程度が望ましいとされているが
これはあくまで標準であって、汗を流すような労働や、
摂取する食物の種類によっては、相当加減しなけれはなりません。

◆塩の種類と規格

並塩(なみじお)
 並塩は、天日塩を精製した精製塩で、塩化ナトリュウム95%以上、
 水分約1.4%の最も一般的な湿った塩です。苦汁分(にがりぶん)が多く、
 通常0.7%位含まれています。主に業務用に多く使われ、
 味噌、漬け物、水産物、めん類などの食品加工に使われます。
 湿った塩としては並塩は、最も汎用性が高く、乾燥塩より価格が安いので
 広く使われています。

食塩
 海水からとった並塩(食塩純度95%以上)を精製したもので、
 純度99%以上の食塩です。不純物としては、水分、
 塩化マグネシュウム(にがり)などが含まれています。
 魚、肉のふり塩、里芋のぬめり取り、青菜を茹でる時、
 漬け物など用途は広くあります。

精製塩
 輸入した岩塩を更に水に溶かし、再び濃縮して結晶をとったものです。
 純度99%以上の食塩で、塩に光沢があり、比較的吸湿性が少なく、
 サラサラしています。これは、マグネシュウムやカルシュウムの塩類を
 出来るだけ除いてある為で、一般に家庭用として使われる事が多く、
 料理の味付けや他の調味料と併用されています。

食卓塩
 精製塩に炭酸マグネシュウムと炭酸カルシュウムをまぶして
 空気との接触を防ぎ、湿度を防いでいます。
 粒子はいくらか精製塩より粗いですが、粒が揃っています。
 食卓で、出来上がった料理の上から振りかけて味を調整するのに使う目的で
 作られた食塩ですから、カルシュウム化合物が入っているため、
 おすましのように透明な液の場合は白く濁るので、
 調理の基本の味付けに使用しない方がよいでしょう。

岩塩
 地中に埋もれている岩の様な形の塩を掘ったものものです。
 古い時代に地層が変化した為、海水が流出口を遮られて蒸発し、
 その中に含まれていた塩分だけが個体になって岩塩層を作ったものと
 考えられています。また死海のように、周囲から流れ込む水はあっても。
 流出口がなく、強い日照にによって水分が蒸発し、
 僅かではあるが含まれていた塩分が濃縮され、
 その濃縮された鹹湖(かんこ塩水湖)がやがて埋没して出来たものもあります。
 純度は普通の海水からとった食塩よりもはるかに高く、
 99%以上の塩分を含むものが多く、我が国では岩塩層は全然なく、
 ドイツ、オーストラリア、スペイン、イギリス、アメリカ、アフリカ、
 ソ連などで多く発見されています。
 食用の場合は、これを元塩として精製して精製塩を作ります。

ゲランドの塩
 フランス・ブルターニュ地方南部のゲランドの塩田で、
 古代からの伝統製法により海水から作られます。一切の加工を加えず、
 太陽と風の恵のみによって作られる海水塩で、それ故<灰色のあら塩>
 と呼ばれています。汲み入れた海水を天日で結晶させるゲランドの塩は、
 味わいだけでなくミネラルも含まれていて、その栄養成分は、
 ナトリュウム・マグネシュウム・カルシュウム・カリウムなどを含んでいます。

ニガリ
 食塩中に含まれている不純物で、塩化マグネシュウムを主成分としています。
 食塩を製造する時の副産物としてとれます。豆腐の製造、
 特に大豆タンパクを固める為に使われますが、現在ではニガリの代わりに、
 硫酸カルシュウムが使われるようになりました。
 ニガリは大変苦い味をもっていますが、
 これらの微量は食塩の塩辛さを強める為に働いていて、
 きれいに精製した食塩では、塩からみのコクが少ない様に感じられます。

◆美味しい塩の濃度

吸い物は1%、煮物は2%というのが塩味の基本といわれます。
口に含んで飲み下すもの
例えばスープ、吸い物は0.9%を超えないものが美味しく、
ご飯と一緒に食べるおかずは1%以上である方が美味しく感じられます。
然し、2%を越すと相当塩からく感じるから注意を要します。

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☆ お知らせ

 ムッシュ米津の家庭料理のページでは
 『アイリッシュ・シチュー』の作り方を
 ご紹介しています。

 http://www.plaisirdelatable.jp/cooking/index.html

 本来羊の肉で作るアイルランド地方の家庭料理です。
 今回は羊の代わりに牛肉で作ってみましょう。

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 フランス料理に役立つ「フランス料理の食材・機材」では、
 料理に使っていただきたい最高の食材と機材をリンクで
 ご紹介しております。

 http://www.plaisirdelatable.jp/food/index.html

 今月は『アンコウ』『濃厚りんご』
 ご紹介しております。

こちらのコーナーも、ぜひご活用ください。

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