フランス料理博物館 プレジール・ドゥ・ラ・ターブル

Vol.30  2011年5月


ただ今、新しいパートナーの方々と、フランス料理博物館

plaisir de la table(プレジール・ドゥ・ラ・ターブル)の

内容の充実に取り組んでおります。

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皆様お元気ですか

5月となれば、もう初夏です。
何か口当たりの良いお料理はとあれこれお考えのことと思います。

今日は、西洋料理にはあまりお馴染みのない
独活(ウド)についてお話ししましょう。

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◇ウド(独活・土当帰)

◇科名・来歴
ウコギ科の多年草。東洋の原産で、日本全国の山野に
自生しています。
古くから軟白栽培もされていました。
自生のものを山独活、栽培品を単に独活と呼んでいます。

◇栽培
主産地は、東京、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都などです。
栽培品には寒独活春独活があり、いずれも軟化方式
とり入れて、若い茎を軟化して食用とします。
軟化の仕方には、盛り土、小屋掛け、穴蔵などいくつかの
方法があります。
それぞれ収穫期が異なるためほとんど一年中出回って
いますが、最盛期は3月頃です。
生長すると高さ1〜2mにも達し、まるで羽根のような葉を
付けます。
夏から秋にかけて白い花を咲かせ、長くのびて、風もない
のに自分でゆらぐ
ので、独活(ひとりでうごく)という
名が付いたと云われています。

独活の大木”といわれる悪口は、大きくなった独活は、
大きいばかりで中身が充実していないため、材木にも、
食用にもならないところからいわれた、つまり
役に立たない”と云う意味であります。

◇調理
自生のものは特有のアクが強く、また堅いものです。
独活はほとんどが水分で栄養価値は低いが、特有な香りと
歯ざわり
が賞味されます。
生でサラダ、酢の物、和え物、刺身のつま、吸い物の実に
すると美味しく、また太いものを茹でて、薄味で煮含め
ても香気があってよい味です。
皮をむくときは、繊維が残らないように厚くむきます。
横の斑点が見えるところまでむけばよいでしょう。
アクが強いので、皮をむいたらすぐに水に入れます。
アクの成分はポリフェノール系物質です。
またフラポノイド系色素も多いので、より褐変がおこり
やすい。
つける水には酢やミョウバンを加えるといっそう白く
あがります。

ポリフェノール酸化酵素の働きをおさえて褐変を防ぐと
ともに、フラポノイド系色素も白くあがるからです。
純白で、切り口から先まで同じ太さで、艶のあるものを
選ぶこと。
赤い斑点や、黒くなったものは古く、元の方が赤緑色を
しているものは堅くなっています。

西洋料理では独活をあまり使いませんが、
ご家庭では旬の香り、食材として料理してみましょう。

調理の下ごしらえは先に述べたようにして下さい。

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ハムと独活のマヨネーズ和え

 材料 2人前
 ・独活 長さ4cmに切ったもの4本
 ・ハムの薄切り 2枚
 ・セルフイユ 小枝2本
 ・ゴマクリーム(練りゴマ) 小さじ1杯
 ・マヨネーズ 小さじ2杯

 作り方

 1 独活の皮をむき、細切りにして、酢を入れた水に
   さらします。ハムも細切りです。

 2 ボールに、ゴマクリームとマヨネーズを混ぜ、
   乾いた布巾で水気を切った独活とハムを加えて和え
   小鉢に盛り、セルフイユを小さくちぎってのせます。

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サラダの具として
 独活の皮をむき、細切りにして、酢を入れた水に
 さらします。
 袋入りベビーリーフと混ぜて良く水気を切り
 あっさりとしたフレンチドレッシングで和えます。

フレンチドレッシングの作り方
 350ccのペットボトルを1本とジョウゴを用意します。

 材料
 ・フレンチマスタード 小さじ1杯
 ・塩 小さじ1/4杯
 ・コショウ 少量
 ・水 大さじ1杯
 ・アップルビネガー 大さじ2杯
 ・サラダオイル 100cc

 作り方

 1 ペットボトルにジョウゴを使用して、フレンチマスタード、
   塩、コショウ、水とビネガーを流し入れ、ボトルを振って
   よく混ぜ、塩を溶かします。

 2 注ぎにサラダオイルを入れふたをします。

 * 使用するときに良く振って混ぜて下さい。
 * 量をもっと多く作るときは、倍量ならすべての材料を
   倍にし、容器ももっと大きめのものでお作り下さい。
   油は空気に触れると酸化し味が変わりますから、
   小まめに作る方がよいと思います。

 量産されるものは、酸化防止剤が入っているものが多いです。

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☆ お知らせ

 ムッシュ米津の家庭料理のページでは
オニオングラタン』の作り方をご紹介しています。

 http://www.plaisirdelatable.jp/cooking/index.html

 濃い焦げ茶色に根気よくいためたタマネギの、
 こくのある味を楽しめます。
 あつあつのところを召し上がってください。

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フランス料理に役立つ「フランス料理の食材・機材」では、
料理に使っていただきたい最高の食材と機材をリンクで
ご紹介しております。

 http://www.plaisirdelatable.jp/food/index.html

 今月は『ジェランガム』『賀茂なす』
 ご紹介しております。

こちらのコーナーも、ぜひご活用ください。

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