フランス料理博物館 プレジール・ドゥ・ラ・ターブル

Vol.22  2010年9月


ただ今、新しいパートナーの方々と、フランス料理博物館

plaisir de la table(プレジール・ドゥ・ラ・ターブル)の

内容の充実に取り組んでおります。

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皆様お元気ですか

今年は猛暑で、食欲も落ち体力の消耗が一段と感じられます。
こんな時は、美味しいもの食べて、気力を回復しましょう。

今日は、ウスターソースのお話しと
そして、ハヤシライスの作り方をご紹介します。

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ソースいえば、あのウスターソースでした

私の子供の頃は、西洋料理を食べるなんて、とてもハイカラなことで、
西洋風を気取った新しがりやと云われようと、何とも楽しいことでした。

ライスカレー、ハヤシライス、メンチボール、コロッケ
どれをとってもエキゾチックな思いのするものばかり、
まして食べるのに箸でなく、ナイフとフォークです。
ご飯でさえ、お皿に盛ればライスに変身するんですから。

私の好きなものは、クリームコロッケ
廻りがカリッとしていて、
中からトロリとしたソースが出てくるのが不思議で、
この世に、これ以上の美味しいものがあろうかと思いました。

コロッケはフランス語でクロケットといい、
クロッカン、かりかりしているという言葉から付いた名前です。

また、カツレツというと日本に馴染んだ洋食の傑作です。
然しそのルーツは純フランス料理なのです。
牛の背肉、一般にリブロースと呼ばれる部分を、コートといいます。
豚、仔牛、仔羊の様な小さい食用動物の背肉は、
小型のコート、即ちコートレットと呼ばれます。
このコートレットの料理法のなかに、
小麦粉、溶き卵、パン粉の順に衣を付け、
バターの上澄で香ばしく、焼き揚げるものがあります。
じゃあこれを天麩羅の様に、
油で揚げたらどうだろうという発想からカツレツが
お目見えしたというわけです。

洋食でソースといえば、誰もが思い浮かべるのがウスターソース
今から170年以上も前に
英国のウオースターシァ地方で作り始められました。
このソースの製造法は、これといってはっきりと決まっていません。
しかし、その原料配合、特に香辛料の配合が
大きなポイントとなっています。

野菜類……タマネギ・ニンジン・トマト・セロリー等
香 料……チョウジ・ナツメッグ・桂皮・月桂樹の葉・タイム・セイジ
     オールスパイス・メース等
辛 料……トウガラシ・コショウ・ショウガ等
調味料……砂糖・食塩・さく酸・食酢・グルタミン酸
     ナトリュウム及びアミノ酸・人工甘味料・クエン酸等
着色料……カラメル

以上のほかに、タマリンド、夏みかんなどを
使用する業者もあります。
一般的には促成法で作られる場合が多くみられます。

野菜を水洗いして、細かく砕きます。
香辛料は粉砕器にかけて粗粉にします。
これらを圧力釜に入れ、加水して蒸し、
配合槽に移します。母液として、アミノ酸液、または醤油、
カラメルなどを加えて攪拌し、食酢、さく酸を加えます。
これを1ヵ月以上熟成させ、濾過して瓶に詰め、滅菌して出荷します。
ソースの品質を決定するのは、まず香りです。
いろいろの原料の組み合わせから出来るソースは、
メーカーの特色を出す、バランスの良いものを
目指して製造されています。

ハヤシライスは、英語のハッシュ・ド・ビーフ(細かく切った肉料理)が
日本で生まれ変わって、ライス(ご飯)を添えて
ハヤシライスになりました。
カレーライス、ハヤシライスのルーはいろいろと、お店に並んでますが、
わが家の特製ハヤシライスをご紹介しましょう。
ソースまで作っておいて、後は食べる時、人数分肉を炒めて仕上げます。

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わが家の特製 ハッシュド ビーフ

 材料 4人前
 ・牛肉すき焼き用1人前 80〜100c
 ・玉葱(厚さ5_の櫛型に切り) 250c
 ・マッシュル−ム(厚さ3_の薄切り) 100c
 ・ブランデー 少量
 ・バター・塩・胡椒
 ・ハッシュドビーフのソ−ス 500c
 ・ご飯

 ハッシュドビーフのソ−ス:
                        
 材料
 ・ドミグラスソ−ス (市販の缶詰300t入り)1缶
 ・赤ワイン 100t
 ・トマトジュース 200t
 ・トマトケッチャップ 100t
 ・ウスターソース 30t

 作り方

 1.ソースを作ります。
  鍋にドミグラスソースをあけ、赤ワイン、トマトジュース、
   トマトケチャップ、ウスターソースを加えて良く混ぜて煮立たせます。
   ごく弱火にして、あくと脂をすくい取り、
   そのまま弱火で4〜5分煮続けます。漉し網を通して鍋に入れます。
   フライパンにバター大匙1杯を入れ、玉葱とマッシュル−ムを炒め、
   ソ−スの鍋に加えてひと煮立ちさせます。

 2.を炒めて煮ます。
   肉は、大きいままですと炒めにくいので、3〜4に切ります。
   フライパンにバタ−大匙1杯を入れて熱くし、
   軽く塩、胡椒をした肉の半量を強火で炒めます。
   箸でさばく様にしながら、肉の色の赤みがほとんど無くなるまで炒めて、
   ブランデーを注ぎ、火をつけて酒精分を燃やし(フランベと云います)
   ソ−スの鍋にあけ、残りの半量の肉も同じようにします。
   火に掛けて、ぐつぐつっと煮えてきたらば、出来上がりです。

 3.盛り付け
   深皿にご飯を添え、ハッシュドビーフを手前に盛ります。

※ 注意点
   肉に火が入りすぎると固くなります。炒め過ぎず、
   煮過ぎない
ことが上手に仕上げるコツです。
   1人前作る時は、肉の量を1人分炒め、
   1人前のソースを加えて仕上げます。
   肉の炒め上がりに、ブランデ−を小量ふりかけて
   フランベすることは、味に深みが付きます。

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☆ お知らせ

ムッシュ米津の家庭料理のページでは
コンビーフ入りポテトステーキ』の作り方をご紹介しています。

 http://www.plaisirdelatable.jp/cooking/index.html

 缶詰のコーンビーフをポテトに混ぜ、小判型にして焼いた
 ポテトステーキ。手軽なブランチメニューです。

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フランス料理に役立つ「フランス料理の食材・機材」では、
料理に使っていただきたい最高の食材と機材をリンクで
ご紹介しております。

 http://www.plaisirdelatable.jp/food/index.html

 今月は『ポルチーニ茸』『モンドール』
 ご紹介しております。

こちらのコーナーも、ぜひご活用ください。

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