フランス料理博物館 プレジール・ドゥ・ラ・ターブル

Vol.19  2010年6月


ただ今、新しいパートナーの方々と、フランス料理博物館

plaisir de la table(プレジール・ドゥ・ラ・ターブル)の

内容の充実に取り組んでおります。

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皆様お元気ですか

今年もすでに、半ばを過ぎようとしております。

今日は、身近な玉子のお話しをしましょう。

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「ニワトリが先か、玉子が先か」永遠の問題ですね

お見舞いにと、置いていった紫色の風呂敷包み、きっと玉子だ。
桐の箱にもみ殻を敷いて詰められた生玉子。
病人は滋養をとらなければね」と、元気なものには後まわしです。
病気になったらいいのにと子供心に思いました。

お好み焼き、うどん、ライスカレー、玉子が入ると何でも値段が高く、
ご馳走だったのです。
遠足のとき、リュックサックに茹で玉子とバナナが入っていたら、
天にものぼる気持ちで、嬉しさいっぱいでした。
バナナも当時は高級品で、なかなか買ってもらえませんでした。

鶏卵は栄養価が高く、特に良質な動物性タンパク質を豊富に含むほか、
卵黄にはビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、リン、鉄、亜鉛、
といったミネラルが含まれています。
また全卵においても必須アミノ酸が散在しており、
特に卵黄に多く含まれています。
動物性タンパク質の摂取源として手近な食材です。

鶏卵規格により,
 Lサイズは64c以上76c未満
 Mサイズは58c以上64c未満
 Sサイズは52c以上58c未満
とされています。

目玉焼きではなかったのです

初めてアメリカ旅行をしたときの朝食に、目玉焼きを注文しました。
目玉なので卵は当然2個だと思っていました。
「ワンエグ」と聞かれて、注文を確かめるのだと思い
「イエス」とうなずくと、すかさず「アップ・オア・オーバー」と
聞きかれました。
解らないが聞くのもしゃくだと思い、「オーバー」と答えました。
やがて運ばれてきた目玉焼きは、
玉子が1個裏返しに皿に盛られて出てきました。
なにっこれ!。あとから聞くと、
目玉焼きは「フライド・エッグ」で必ずしも2個ではない
そして「アップ」は黄身を上にして焼いた、
「サニーサイド・アップ」
「オーバー」は、
黄身を下に裏返して焼く「ターン・オーバー」
のこだと解りました。
習慣の違い、それに言葉の勉強不足、
後悔先に立たずと、つくづく感じました。

あと いっぷん

玉子を茹でるとき、卵黄がまん中になるように、
煮立つまで箸でそっと転がし
ます。ちょっと火を弱くして、
あっ先輩が呼んでいます。で、次の仕事をさせられていると、
「おい!玉子あと何分だ?」時計を見るのを忘れました。
とっさに、「あと1分です」
料理をするときには必ず、時間を見る事です。
出来上がりにむらがなくなります。

◇茹で玉子の作り方

玉子をなべに入れ、玉子がすっかりかぶるくらい冷水を入れます。
を少し入れ(酢は卵白の凝固を早めます)、
強火で煮立てます。冷蔵庫で冷やした玉子は、
熱いお湯に入れると、温度差で殻にひびが入ります

煮立ったら弱火にして煮ます。
玉子を茹でる時間は、煮たって火を弱くしてから計算します。

固茹で玉子:Lサイズで12分.Mサイズで10分
半熟玉子(黄身がとろりとしている状態):Lサイズで5分,Mサイズで4分、
3分の茹で玉子は、玉子立て(エッグスタンド)にのせて出します。
殻の上部をスプンの背で割り、
スプンが入るくらい殻を取りのぞいて食べます。

むかし、ホテルで良くクレームのでるのが、
3分、3分半の半熟玉子でした。
なべに酢を入れた湯を沸かしておいて、
玉子を柄のついたかごに入れて茹でるのですが、
3分、3分半、4分とをオーダーが続いてくると、
印を付けたかごが解らなく
なり、その上時間も不確かで、
サービス側に渡してしまいます。
お客様は、毎日召し上がっているので、
ご自分好みの茹で方を良くご存じです。
茹ですぎだと返品になり、作り直しです。

そこで、玉子茹で器が購入されました。
かごに卵を入れ、3分、3分半と茹で時間をセットして、
沸いている湯(酢を少量入れた)の中に沈めます、
時間が来るとかごが引き上げられ、時間通りの玉子が出来上がります。
これでクレームが大分へり、朝食の作業は大変楽になりました。

卵白が何で泡立たないの

卵白の泡は油気をとても嫌います
ボウルも泡立て器も使う前に石けんで洗い、
水ですすいで、良く水気を切っておきます。
しんまいの頃はそんな事は解りません。いくらやっても泡立ちません。
失敗して覚えろという職場でしたが、
親切な先輩がそっと教えてくれました。

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ほうれん草と玉子のグラタン

 材料 4人前
 ・ほうれん草(根付きで) 350c
 ・玉子(Mサイズ)      4個
 ・すりおろしチーズ    大匙4杯
 ・バター
 ・塩・胡椒
 ・ベシャメルソース用
  −牛乳         600t
  −固形スープ        1個
 ・練りバター(ブールマニエ)
  −小麦粉         45c
  −バター         45c

 作り方

 1 玉子を茹でます
   玉子にたっぷりかぶるくらい冷水を入れ、少し酢を入れて
   なべを火にかけます。煮立つまで箸でそって転がしながら
   煮ます。卵黄が中心になるためです。
   煮立ったら火を弱くして、4分か4分半茹でて、冷水につけ、
   殻をむきます。

 2 ほうれん草を茹でます
   ほうれん草を良く洗ってざるに上げます。
   茹でて、冷水にさらし、かたく絞って、根元を切り除き、
   細かく切ります。

 3 練りバター(ブールマニエ)を作ります
   バターと小麦粉を練ります。ブールマニエと云って、
   ソースの濃度を付ける為に使用します。

 4 ほうれん草入りのベシャメルソースを作ります。
   ほうれん草をバターで炒め、牛乳と固形スープを加えて
   煮立てます。火を弱くして、ブールマニエを加えて混ぜ、
   塩、胡椒で味を付けます。

 5 仕上げです
   グラタン皿に、ソースで和えたほうれん草を、少しずつ敷き、
   玉子を縦半分に切って、切り口を上にして並べます。
   残りのソースで玉子をおおい、すりおろしたチーズを振りかけます。

 6 オーブンまたはオーブントースターで焼きます
   250〜260度のオーブンで、7ー8分、表面に焼き色がついて、
   中が熱くなるまで焼きます。

 *「玉子」と「卵」表示の使い分けは、私自身、明確な定義を持っていません。
  子どものころから、玉子焼き、玉子丼ぶり、玉子かけご飯など、
  卵より玉子の方が、おいしそうに感じ、慣れ親しんで使っています。

玉子の料理は、それこそ数え切れないくらいあります。
いずれお話しする機会があると思いますが、
今日はこの辺で終わらせて頂きます。

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☆ お知らせ

ムッシュ米津の家庭料理のページでは
『シュークルートとピクルス』の作り方をご紹介しています。

 http://www.plaisirdelatable.jp/cooking/index.html

 細切りキャベツを塩漬けにして発酵させたシュークルート。
 ウィンナーソーセージやハムなどと一緒に煮込んでもおいしい
 ものです。よく冷えた白ワインが合います。

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フランス料理に役立つ「フランス料理の食材・機材」では、
料理に使っていただきたい最高の食材と機材をリンクで
ご紹介しております。

 http://www.plaisirdelatable.jp/food/index.html

 今月は『バジルシード』『シェフズミラクル』をご紹介して
 おります。

こちらのコーナーも、ぜひご活用ください。

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