ムッシュ米津の家庭料理
小エビのピカタ
"小さなエビに、すりおろしたチーズを入れた卵の衣をつけて
焼きます。新鮮なトマトをふんだんに使ったソースでどうぞ。"
カンツォーネでも聞きながら♪
ピカタの語源がもうひとつ、はっきりしません。
私どものホテルから派遣されて
イタリアに料理研修に行っていたコックの話によると、
薄切り肉に小麦粉をつけてバタ−焼きにしたものが、
”ピカタ”の名前でメニューにのっているそうです。
日本では、小麦粉をつけ、チーズを混ぜた卵の衣をつけて
焼いたものを指しますね。
どこで、それが”ピカタ”になってしまったものやら。
でも、卵をつけて薄焼きにするところが日本人のの口に合うのでしょうか、
トリのピカタ、仔牛のピカタなど
街のレストランでも、ご家庭でも人気があるようですね。
私が使ったのは小エビです。
どこでも、いつでも手に入りますし、冷凍エビでもこうすると、
とてもおいしくなるのがうれしいです。
さんさんとふりそそぐ太陽の下、
カンツォーネでも聞こえてくるような気分で味わってみてください。
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野菜入りスパゲティを添えて
イタリア生まれのピカタですから、つけ合わせは、めん類なんかがいいですね。
上手にゆでたスパゲティに、赤や緑、白などの野菜を彩りよく入れると、
ひき立ちます。
ソースは、赤といっても、柔らかい色調のトマトソースにしました。
缶のトマトジュースに個型スープを煮溶かしただけでもいいのですが、
あれば、よく熟れた新鮮なトマトを入れた方が、太陽の恵みを味わえます。
"小エビのピカタ " 作り方
材料 4人前 |
無頭冷凍エビ 20匹 |
約20g |
塩・コショウ |
|
小麦粉 |
|
衣 |
|
−全卵・卵黄 |
各1個 |
−すりおろしチーズ |
約20g |
つけ合わせ |
−スパゲティ乾燥したもの |
150g |
−タマネギ |
50g |
−ニンジン |
50g |
−シイタケ |
4枚 |
−ピーマン |
1個 |
−バター・刻みパセリ |
|
トマトソース |
−トマトジュース |
400cc |
−トマト(完熟したもの) |
400g |
−固型スープ |
2個 |
−−コンスターチ |
小さじ2杯 |
−ニンニク |
小1片 |
☆ 作り方
- まず、エビの下ごしらえから始めましょうか。
エビの尾を残して殻をむき、背から包丁を
入れて開きます。
細くて黒っぽい背わたを除いてから、
斜めにごく軽く包丁目を入れて下さい。
こうしてエビの筋肉をきっておくと、
加熱しても、そり返ったりしないのです。
さらに包丁の峰で、エビの表面全体を軽くたたいておきます。
新鮮なエビなら、そんな心配はないのですが、冷凍エビって、
ときどき特有のにおいがしますね。
それが気になるようでしたら、白ぶどう酒を少しだけ、
ふりかけておくと、においが消えます。
- 次はソースです。
トマトの皮、種を取って、粗みじんに切り、トマトジュース、
皮をむいて軽くつぶしたニンニクと一緒になべに入れ、火にかけます。
固型スープも加えて煮溶かします。
トマトが煮くずれたら、目のこまかい網でソースをこします。
これをもう一度、なべに戻して火にかけます。
すこし、とろみがほしいですね。
コンスターチを同量の水で溶いて加えます。
塩を入れなくても、固型スープの塩味だけで十分だと思いますので、
コショウだけふり入れてください。
そうですね、ソースができて火からおろしてから、
お好みでバター大匙一杯を混ぜてくださっても、よいでしょう。
味に深みが出ます。
- 今度は、野菜入りのスパゲティにかかりましょうか。
ニンジンを細切りにしてバターでいため、しんなりしてきたら、
タマネギの薄切り、それに軸を取って薄切りにしたシイタケも入れていためます。
一番あとに細切りにしたピーマンを加えます。
全部の野菜がやわらかくなりましたら、ゆでたてのスパゲティを加え、
塩、コショウで味をつけます。
これで下準備ができました。
- さあ、ピカタを焼きましょう。
下ごしらえをしておいたエビに塩、コショウをし、両面に小麦粉をまぶします。
ボールに卵1個を割り入れ、黄身だけもう1個分加えます。
卵白が多いと、衣が逃げてしまうので、全卵(卵白と卵黄)1に対して、
卵黄1を加えると、ちょうどいい具合になるのですね。
この卵に、すりおろしたチーズを加えたのが、ピカタの衣です。
エビに衣をつけて、フライパンに大さじ2杯のサラダ油と
大匙1杯のバターを熱してから焼くのですが、
いったんフライパンを火からおろして、エビを入れ、また火にかけた方が、
さきに入れたエビと、あとから入れるエビとが同じ焼き色に仕上がります。
手間でしょうが、1人前ずつゆったり場所をとって焼いたほうが、
きれいにでき上がります。
両面においしそうな焼き色がついたら、器に取ります。
- 最後に盛り付けです。
お皿に野菜入りのスパゲティを平に盛り。
エビの尾っぽの方を中央に向けて、放射線状にのせます。
まわりにトマトソースを注ぎ、刻みパセリをふりかけます。
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これででき上がりなんですが、スパゲティのゆで方について、
ちょっとお話しをしておきましょう。
大なべにお湯をたっぷり沸かし、塩をひとつまみ入れます。
お湯が煮立っているところへ、スパゲティをさばきながら入れます。
お湯が沸騰していないと、スパゲティが沈んで、
なべの底にくっついてしまいます。
スパゲティを入れて、少しして、再びお湯が煮立ってきたら、
火を弱め、おはしで、かき混ぜながらゆで続けます。
時間はふつう10分〜12分間、スパゲティによってゆでる時間が違うので、
袋に印刷してある時間を目安にしてください。
イタリア語でアルダンテ−歯にしこっとするという意味らしいのですが、
そのくらいがスパゲティの一番おいしいゆで加減だといわれます。
ゆで終えたら、ざるにあけ、水気を切ります。
決して水にさらさないこと。
これをいためた野菜に加えてください。
ちょっとわきにそれますが、ごく素朴な食べ方をひとつ。
よく水気を切ったら、もう一度なべに戻して弱火にかけ、
バターを1片(大さじ1杯くらい)入れ、かき混ぜます。
余分な水分を蒸発させながら、全体をバターであえるように
するわけですね。
お皿に盛って、すりおろしたチーズをたっぷりふりかけて、
召し上がってください。
食べるタイミングに合わせてゆであげるかどうかで、
スパゲティの味がずいぶん違ってきます。
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文・写真(イメージ写真)提供:ひかりのくに株式会社
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