ムッシュ米津の家庭料理
ナスとホタテ貝のムニエル

"ソースをかけると、”ふだん着”のムニエルが
”よそゆき”に。
ソースは、ぜひ白ぶどう酒を煮詰めて使ってください。"


製粉工場の女子工員さん

魚をバター焼きにすると、皮や身がなべにくっついて困りますね。
粉をまぶすと、焼き壁ができてうまくいくばかりか、
魚のうま味が逃げていきません。それに香ばしさも加わります。
ムニエル
フランス語で、製粉工場の女子工員さんっていう意味があります。
髪を小さな白い帽子の中に押し込み、粉まみれになって働く、
けなげな様子が目に浮かんで、ムニエルまでがいとおしくなるじゃ
ありませんか。

メニューを読むために、フランス語は欠かせません。
私は中学を二年で中退したので、
何とか勉強をしたいという気持ちを強く持っていました。
昭和31年頃でしたか、大阪で上村清太郎先生に
フランス語の手ほどきを1年半くらいしていただきました。
毎週土曜日の8時頃から2時間、授業は厳しく、
しかし家族の一員のようにかわいがっていただきました。
このフランス語との出会いが、現在とても役立っています。

白ぶどう酒で味を引き立てて

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ムッシュ米津の料理教室 *ナスとホタテの貝のムニエル

"*ナスとホタテの貝のムニエル" 作り方

 材料 4人前
 ホタテ貝柱(1個、約30g) 16個
 ナス(1個、70〜80g) 6個
 トマト 500g
 刻みパセリ  
 小麦粉
 バター・サラダ油  


☆ 作り方

  1. ナスを用意します 味のいい、中くらいの大きさのナスを使います。
    皮付きのまま、6〜7mmの厚さの輪切り、塩をふると、
    ナスから水分が出てしまうので、 塩はふらずに、
    小麦粉だけ両面にまぶし、余分な粉ははたきおとします。

  2. ナスをムニエルにします
    フライパンにサラダ油を大さじ2杯とって熱くし、
    バターをその半量、大さじ1杯を加えます。
    ナスを重ねないように入れ、一ヵ所だけ焦げない
    ように、たえず動かしながら、きつね色になるまで
    両面を焼きます。

  3. トマトを煮ます
    トマトの皮、種を取って粗切りにし、汁気がなくなる
    まで煮詰めます。

  4. ホタテ貝をムニエルにします
    貝柱のまわりのべらべらはかたいので、取っておいてください。
    ホタテの貝柱が厚いと、つい火を通しすぎてしまうので、
    横半分に切っておきます。塩、コショウをし、小麦粉を
    つけて、やはりサラダ油2,バター1の割合で、強火で両面、
    さっとムニエルにします。

  5. 盛り付けです
    皿の中央にトマトを置き、その周囲にナスを並べます。
    ナスの上に貝柱を盛り、ソースをかけ、刻みパセリを
    ちらします。

ムニエルは何とか自分で作れるのだけど上にかけるソースの
味がもう一つ決まらないとおっしゃる方が多いようですね。
やはり、ちょっと手をかけてやってください。
それでは、ムニエルのソースを作ってみましょう。

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"ムニエルのソース " 作り方

 材料
 粒コショウのひいたもの 少量
 白ぶどう酒 100cc
 固形スープ 2個
 水 200t
 コーンスターチ 小さじ2杯半
 バター 50g


☆ 作り方

  1. ソースのもとを作ります
    まず、粒コショウをひいて、白ぶどう酒と固形スープを加え、
    ほとんど乾くまで煮詰めます。

  2. ソースを仕上げます
    水を入れ、ひと煮立ちさせ、水溶きのコーンスターチを
    入れて濃度をつけ、最後に焦がしバターを加えます。


焦がしバターの作り方は、フライパンにバターを50g入れ、
中火にかけます。
溶けて泡立ってきたら、なべを傾けて一方に寄せ、フライパンを
ゆすりながら焦がしてゆきます。
泡が消え、うっすら色がついてきたら、すぐに、先のソースに
混ぜるのです。

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いかがですか。“ふだん着”のムニエルが”よそゆき”になった
みたいでしょう。
固形スープだけだと味が単調になるので、ぜいたくなようでも、
ぜひ白ぶどう酒を煮詰めて使ってください。
フランスでは、ムニエルには焦がしバータだけかけますが、
ソースのしめり気があるのもよいと思います。

もう一品、ポテトとシイタケをたっぷり添えたヒラメのムニエル。
育ち盛りのお子さまのいるご家庭にいいでしょう。
ヒラメは1人前2切れずつとしましたが、物足りないようでしたら、
上にのせる具を多いめにしましょう。

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"ヒラメのムニエル ポテトとシイタケ添え " 作り方

 材料 4人前
 ヒラメそぎ切り(1枚、40g) 8枚
 ジャガイモ(メークイン)(1個、70〜80g) 4個
 シイタケ(1パック、100g) 2パック
 タマネギ 100g
 刻みパセリ  
 小麦粉  
 バター・サラダ油  


☆ 作り方

  1. つけ合わせの野菜を用意します
    ジャガイモの両端を切って長さをそろえ、たる型に皮を
    むきます。
    そして1個を6つの櫛形に切り、低温のサラダ油で色付け
    ないようにしながら、やわらかくなるまで揚げます。
    ジャガイモのかたちなんかどうでもいいようですが、
    気取った格好に切りそろえてあったら、美味しそうに見え
    ますからね。そのためには大きいジャガイモを使うより、
    1個70〜80gのメークインのほうが、かたちもそろうし、
    切り落とす部分も少なくてすみます。
    シイタケの軸を取って、幅6〜7mmの細切り、タマネギも
    同様に切ります。

  2. 野菜をいためます
    フライパンにバター大さじ1杯を取り、タマネギをいためます。
    しんなりしてきたら、シイタケを加え、下揚げをしたジャガイモを
    入れ、塩、コショウで薄味をつけ、全体に味がからむように
    炒めます。

  3. ヒラメをムニエルにします
    ヒラメの切り身に塩、コショウをし、小麦粉をつけ、
    サラダ油とバターでムニエルにし、仕上げにレモン汁を
    少しふりかけ、皿に二切れずつ盛ります。
    いためた野菜をその上にのせ、ソースをかけ、刻みパセリを
    ちらします。
    ソースは「ナスとホタテ貝のムニエル」と同じです。

白身魚でしたら、シタビラメ、アマダイ、サワラでもよいでしょう。


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文・写真(イメージ写真)提供:ひかりのくに株式会社

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