ムッシュ米津の家庭料理
オニオングラタン

"濃い焦げ茶色に根気よくいためたタマネギの、
こくのある味を楽しめます。
あつあつのところを召し上がってください。"


ストーブ前でえたもの

少し料理ができるようになると、ストーブ前といいましてね、
煮炊き、焼きものなどが手伝えるようになります。
ビーフシチューなんかは、たくさん作るので、角なべに
入れてオーブンの中で煮ます。

忘れないように扉にはり紙をしておくのですが、それも
忘れて、気がついたら、ソースは煮詰まり、肉はとろとろ、
大目玉
スープの浮き実にするパンもオーブンで乾かすように焼きます。
つい他の仕事に気をとられて、はっと気がつくと、オーブンの
扉のすき間から煙がもくもく、しまった、またやった。
早く始末をしようとすると、間の悪いことに怖い先輩がそばで
にらんでいます。

「ストーブ前で仕事をするときは、鼻も使うんだ!!」

私の嗅覚はこうして敏感になりました。
我が家に帰ったとき、部屋に残っているかすかなにおいに、
今夜はオニオングラタンだな、といい当るようになって
きました。

タマネギを1時間以上いためて

オニオングラタンの名前はよくご存じでしょうが、
あまりお作りになったことはないのではありませんか。
タマネギを根気よくいためるのは少し面倒ですが、
こくのある味を楽しめます。

∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

ムッシュ米津の料理教室 オニオングラタン

"オニオングラタン" 作り方

 材料
 タマネギの薄切り 600g
 チキンブイヨン 6カップ
 フランスパンの薄切り 15〜16枚
 すりおろしたグリュイエールチーズ 150g〜200g
 バター


☆ 作り方

  1. まずタマネギを切ります
    タマネギの厚みをそろえ、繊維にそって薄切りにします。
    包丁ですと厚さが揃わないことがあるので、
    野菜カッターを使っても結構です。
    切り端はまとめてポタージュにしましょう。
    とにかく薄切りを600g用意してください。

  2. タマネギをいためます
    なべに大さじ1杯のバターを溶かし、タマネギを入れて
    いためます。(@)
    初めは水分が出てきます。徐々に煮詰まってきたら火を
    弱くし、なべの側面の焦げつきをこそげ落としながら、
    いため続けます。
    だんだんタマネギの量が減ってきますから、小なべに
    あけかえていためたほうが、焦げつきが少ないでしょう。
    やがてあめ色になります。(A)
    けれど、もう少し、焦げ茶色、キャラメル色になるまで
    いため続けてください。
    1時間以上はかかるでしょう。弱火で、自然に色がついて
    くるようにいためるのがポイントです。
    ここが大切なのです。
    いためて出てきたおつゆが煮詰まった結果、色がつくので
    あって、決して焦がしてつくのではありません。
    量が少なくなったら、ごく弱火にして、慎重にやってください。
    出来上がりは100g〜120g(約5分の1)になるわけです。(B)

  3. オニオングラタンの用意をします
    なべにチキンブイヨンを入れ、いためたタマネギを入れて
    煮溶かし、薄いめに塩味をととのえ、沸騰したら火から
    おろします。
    グラタンスープ用の耐熱の器に注ぎわけ、フランスパンの
    薄切りを3−4枚浮かし、すりおろしたチーズ(グリュイ
    エールチーズがいいでしょう)をふわっとのせ、強火の
    オーブンに入れます。
    表面に焼き色がつき、スープが熱くなるまで焼きます。
    280〜300度で、10分前後でしょうか。
    スープは熱く沸かしてから器に入れれば、早くできますね。

タマネギの量が増えても、いためる時間は変わりませんから、
一度にたくさん作って、2人分(いためあがり50c)ずつ、
ラップに包んで冷凍しておけば、いつでも使えます。

グラタンにしないで、いためたタマネギをチキンブイヨンで
煮溶かしたスープもなかなかいけますよ。

乾かして薄切りにしたフランスパンとすりおろしたチーズも、
お好みで入れてください。
ブラウンオニオンスープができます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

チキンブイヨンは、固形スープをカップ6杯(1.2L)の
水で煮溶かしてもいいですが、時間があれば、トリがらを使って、
自分でダシを取ると、味がまるで違ってきます。

"チキンブイヨン " 作り方

 材料(出来上がり1.2L)
 トリのがら 三羽分(約750g)
 ニンジン 70g
 タマネギ 100g
 ベイリーフ(月桂樹の葉) 1枚


☆ 作り方

  1. 材料の下ごしらえ
    トリがらの首のほうは約5cm、胴のほうは半分に割って
    同じくらいの長さにたたき切り、水にさらしてよく洗います。
    ニンジンを半割にして5mmの厚さ、タマネギは半分に切って
    ザクザクと粗く切ります。

  2. ブイヨンを作ります
    大なべにトリがらを入れ、水15カップ(3L)ほど入れて
    強火にかけます。
    煮立ってきたら火を落とし、アクをていねいにすくいます。
    だいたいアクがとれたら、野菜とベイリーフをを入れ、
    塩ひとつまみを加えて、弱火で煮ます。
    約2時間煮て、ガラが崩れるくらいやわらかくなったら、
    ダシは出きっています。火からおろして熱いうちにこします。
    そのまま冷ますと、ガラにうまみをすいとられます。
    途中に詰まるようなら、お湯をカップ1〜2杯たして、
    できあがり6カップ(1.2L)にしてください。


できあがったチキンブイヨンに、塩、コショウで味を付け、
小さい拍子木型に切った、 ニンジン、カブ、セロリ、
タマネギ、トリ肉などを浮き実にするだけで、”チキンブロス”
というスープができます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

やはり簡単に仕上げられるイタリア風チーズスープの
”ミルファンティ”も紹介しておきましょうか。

"イタリア風チーズスープ ミルファンティ " 作り方

 材料 4人前
 すりおろしチーズ
(パルメザンかエダムチーズ)
1/2カップ(30g)
 生パン粉 1カップ(40g)
 チキンブイヨン
(または、水250ccと固形スープ1個)
250cc
 卵 2個
 チキンブイヨン 6カップ


☆ 作り方

  タマネギをザクザクっと粗く刻み、大さじ1杯のバターで
  いためます。
  チキンブイヨンと、ご飯を加え、煮立ってきたら弱火にして
  15分間くらい、タマネギがやわらかくなるまで煮ます。
  なべを火からおろして少し冷まし、ミキサーにかけます。
  約1分間くらいでしょうか。
  なべに戻して牛乳を加え、塩味をととのえ、ひと煮立ち
  させてできあがりです。
  取り分けて刻みパセリをちらし、好みで、粒コショウを
  引き入れてください。

*チキンブイヨン、ポタージュは小分けにして冷凍しておけば、
 必要なときに、電子レンジで解凍してすぐに使えます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ではさいごに、タマネギの切り端を使ってポタージュを
作りましょう。

"タマネギのポタージュ " 作り方

 材料 2〜3人前
 タマネギの切りはし 250g
 ご飯 65g
 チキンブイヨン
(または、水250ccと固形スープ1個)
250cc
 牛乳 150cc
 バター
 刻みパセリ(任意)


☆ 作り方

  タマネギをザクザクっと粗く刻み、大さじ1杯のバターで
  いためます。
  チキンブイヨンと、ご飯を加え、煮立ってきたら弱火にして
  15分間くらい、タマネギがやわらかくなるまで煮ます。
  なべを火からおろして少し冷まし、ミキサーにかけます。
  約1分間くらいでしょうか。
  なべに戻して牛乳を加え、塩味をととのえ、ひと煮立ち
  させてできあがりです。
  取り分けて刻みパセリをちらし、好みで、粒コショウを
  引き入れてください。

*チキンブイヨン、ポタージュは小分けにして冷凍しておけば、
 必要なときに、電子レンジで解凍してすぐに使えます。


∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽


文・写真(イメージ写真)提供:ひかりのくに株式会社

ホーム > ムッシュ米津の家庭料理 > オニオングラタン