ムッシュ米津の家庭料理
カキとブロッコリーのクリームソース煮

"おおげさにいえば、
 人間の歴史とともに、美味の歴史を刻み込んで"

パリの街に冬を告げるのはカキ売り。

レストランでは店の前に大きな台を持ち出し、
磯の香りがただよう海草を敷いた上に、カキを積み上げています。

お客が立ち寄ると、大きな前掛けをつけたおじさんが、指当てのついたナイフで
器用に殻をこじあけてくれます。

むきたての、真珠色に輝く身。
レモンを絞って、のどの奥にすべり込ませると、
もうそれだけで、この季節に生きる喜びが味わえます。


カキはずいぶん古くから食べられていたらしく、
ギリシャの貝殻投票、オストラシズムに使ったのは、カキの殻だそうです。
貝殻の裏の白い部分に短剣で、自己の決定を刻み込んだようです。

「馬に乗った天使」とか「カキの殻焼きロックフェラー」
「カキの殻焼きカークパトリック」などという名前のついた料理も
あって、カキに寄せる思いの深さがうかがえます。

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まっ白のソースの中で、真珠色に輝くカキは、まるで貴婦人のような味わいです。
バターライスとブロコリーを添えて。

練りバターでとろみを

ブイヨンでふっくら煮たり、シチューのように時間をかけて煮る。
あるいはワインの味と香りをほのかに移して煮る。
西洋料理には、さまざまな煮方がありますね。
なかでも女性の方たちの好きなのはクリームソース煮ではないでしょうか。

カキとブロッコリーのクリームソース煮ですが、クリームソースは、
練りバター(ブールマニエ)を使えば、家庭でも失敗しないで作れます。
練りバターというのは、小麦粉とバターをほぼ同じ量(かさ)」に混ぜ、練り
合わせたもので、ソースのつなぎに、ちょっととろみがほしいときに使います。
小麦粉20cとすれば、バター40cこれでほぼ同じかさです。
あとは水分(牛乳)の量を間違えなければ、本格的なルウを作らなくても、
なめらかで、ほどよくとろみのついてソースが仕上がるので、覚えておかれると
便利でしょう。

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"カキとブロッコリーのクリームソース煮  " 作り方

カキとブロッコリーのクリームソース煮
 材料 4人前
  カキ 400g
  マッシュルーム(1パック) 80g
  シメジ(1パック) 100g
  ブロッコリー(茎をとって) 160g
  牛乳 300cc
  生クリーム 200cc
  練りバター
   −小麦粉 20c
   −バター 40c
  ベイリーフ
  炒め用バター

☆ 作り方 
  1. さて、カキはあまり小さくないものを用意します。
    1人前8粒位と考えてください。
    まず、カキを乾いたふきんの上に並べて水気を切り、
    身のひだの間に殻の小片がついていないか調べて、取り除きます。

  2. なべに牛乳を入れて沸かし、ベイリーフを入れます。
    この中にカキを入れてさっと煮て、なべを火からおろします。
    牛乳の中でカキを振るようにして洗い、器にとります。

  3. ブロッコリーの房の根元から茎を切り、塩湯で茹でゆで、水にさらして色どめし、
    ざるにあげて水気を切ります。

  4. きのこはそれぞれ石づきを切り落として洗い、
    マッシュルームは4つ割り、シメジはばらして、バターでいためておきます。

  5. カキを煮た牛乳が残っていますね。
    ガーゼか茶こしで漉してください。300tくらいあるはずです。
    これを火にかけ、煮立ってきたら、火をうんと弱くして、練りバターを入れて泡立て器で
    かき混ぜ、生ムリームを加え、塩、コショウで味を付けます。
    きのこ、カキをソースに加え、煮立たせないように気をつけながら、弱火で味をなじませる
    ように、1−2分間煮て、火からおろします。 

  6. 皿の中央に型抜きしたバターライスを盛り、薄塩を入れた湯で温め直したブロッコリーの
    水気を切って、両端におきます。
    残りの空間にカキときのこを均等に盛り、ソースをかけます。
     
* カキは煮すぎると硬く締まるので、牛乳の味がカキに移り、牛乳の中にカキのおいしさを
  残すという気持ちで、手早く仕上げること。
  遅くかえってくるお父さんや子どもにとっておく場合は、きのこだけソースに入れて、
  カキは食べる直前に1人前ずつあたため直してください。

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"バターライス  " 作り方

バターライス
 材料
  米 2カップ
  水 2+1/4カップ
  タマネギ(みじん切り) 70g
  バター 30g
  ベイリーフ 1/2枚
  塩 小匙1/3杯
  コショウ 適宜

☆ 作り方 
  1. 米を洗ってざるにあけ、水気を切っておきます。

  2. みじん切りにしたタマネギを、15cのバターで
    焦がさないようにいため、炊飯器に入れます。
    米を入れた混ぜ、水2+1/4カップ、塩小さじ1/3杯、
    コショウ少々振って、普通に炊きます。

  3. 炊きあがったら、残りのバター15cを全体に混ぜます。
     
* 炊飯器でなくて、なべでバターライスを炊くときは、米もいためます。
  炊き方は、煮立ってきたら火を弱め、さらに水がひいてきたら、ごく弱火にして時間をかけて、
  むらすように炊くのがコツです。
  火を止めてからも10分間くらいそのままおきます。

* ついでのことですが、バターライスをピラフにする場合は、残りのバター15cも炊くときに
  一緒に入れ、炊きあがったらすぐにバットにあけ、しゃもじで切るようにして早く冷まします。


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文・写真(イメージ写真)提供:ひかりのくに株式会社

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