ムッシュ米津の家庭料理
カニと卵のクリームコロッケ

"冷凍のカニとゆで卵を使ってみました。小ぶりの俵型に揚げて、
ご家庭では立派にメインディッシュの役がつとまります。"



私が初めて料理をしたのは、4歳のころです。
サツマイモを煮ました。
でも実際は母や祖母がほとんどしてくれたのでしょうね。
でも切るまねごとをしたこと、なべに入れ、調味料を入れ、
いよいよできあがっておいしいと皆がいってくれて、
とてもうれしかったこと
を、断片的に覚えています。
実は私の家、洋菓子屋だったのです。
横浜の馬車道にあった風月堂
祖父の代に本店の両国から分かれたのです。
私が小学校に上がるころには、もう店を閉めていましたが、
伯父の店である銀座・風月堂によく遊びに行きました。
1個5銭のキャラメル、ゴーフルの軽やかな歯ざわり、
マロングラッセ、シュークリーム、エクレアの味・・・。
でも、子どものころ、この世にこれ以上のごちそうはないと思っていたのは、
クリームコロッケ、確か、ひき肉とパセリのみじん切りが入っていて、
口にいれると、とろりとソースが出てきて、不思議でした。

コロッケといったほうが、うんと親しみが出ますね。
申し訳程度にひき肉が入っているイモコロッケでも、
揚げたてのあつあつは結構おいしいものです。
洋食というより、おそうざいとして、われわれの生活に定着しています。
クロケットは、フランス語のクロッカン
かりっとしているという意味の言葉から出た料理名です。
フランスでは小ぶりの俵型に揚げて、あたたかいオードブルとして
お客さまに出します。この俵型、フランス人はなんと呼ぶか、ご存じですか。
ブッション、ぶどう酒の栓です、なるほど、似ていますね


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"*カニと卵のクリームコロッケ " 作り方

 材料 4人前
 カニの身 (300gを水気を絞って)200g
 卵 2個
 マッシュルーム 80g
 タマネギ 100g
 ベイリーフ 1枚
 ブランデー 大さじ1杯
 塩 小さじ1/3杯
 生クリーム 大さじ1杯
 卵黄 1個
 バター  
 衣(小麦粉・卵・生パン粉)  
 揚げ油  
 ベシャメルソース
 −小麦粉 70g
 −バター 60g
 −牛乳 400cc
 −ベイリーフ 1枚
 付け合わせ  
 −パセリの葉  
 −揚げ油  

☆ 作り方

ここでご紹介するのはカニと卵をクリームソースで和えたコロッケです。
クリームコロッケは難しいとお思いのようですが、
ソースの作り方と濃度さえ覚えて下されば、簡単です。
  1. さあ、それでは下拵えをしましょう。
    かに缶が最近とても高いので、冷凍を上手に使いましょう。
    凍った状態なら、300gほど必要です。冷蔵庫で自然解凍して、
    水気をよく切り、身を粗くほぐしておきます。
    一緒に入れる具は
    タマネギ、マッシュルームをみじん切りにします。
    固ゆでにした卵も粗みじんに切ります。

  2. 野菜とカニをいためます
    平なべにバター大さじ1杯を溶かし、タマネギ、マッシュルームに
    ベイリーフを加えていためます。野菜がしんなりとなったら、
    カニを加え、温まる程度に炒めてから、ブランデーをふりかけて火をつけ、
    ふわーっと一瞬、燃え上がらせます。これを”フランベ”といいましてね、
    近ごろレストランなんかで、お客の目の前に料理のワゴンを持ち出して、
    大げさな炎をあげるのがはやっています。
    ショーとしての演出効果は満点なのですが、
    何にでもしたらよいというのではありません。
    炎の力で料理の味を引き締めると同時に、ブランデーのアルコール分を抜いて、
    いい香りだけを残そうというのが目的なのですから、
    でもまあ、冷凍のカニやエビを使うときには確かに効果がありますね。
    さて、フランベをしたあとは、塩、コショウで下味をつけておきます。
    ここまでやっておいて、なべを火からおろし、
    乾かないように蓋をしておいてください。

  3. ベシャメルソースを作り、具を和えます
    なべにバターを入れて火にかけ、溶けたら弱火にして
    小麦粉とベイリーフを加えます。
    決して焦がさないようにかき混ぜながらいためます。
    初め、ねっとりしていたものが、バサバッとなってきたら、
    なべを火からおろし、ぬれふきんの上にのせ、ジュッといわせて、
    粗熱をとります。再び、弱火に戻します。

  4. 次ぎに牛乳を5〜6回に分けて入れるのですが、
    最初、玉じゃくし1杯くらい(約80cc)の牛乳を入れて、よくかき混ぜ、
    なべの中が均一でなめらかになってから、次の牛乳を加えます。
    これをしんぼう強くくり返してください。
    よく混ざらないうちに、次の牛乳を加えると、ダマができる原因となります。
    仕上がりは、つきたてのお餅くらいのやわらかさ、
    といえばいいでしょうか。コロッケを油で揚げると、
    ベシャメルソースは、熱いときの状態になるので、
    かなり濃度をつけておかないと、揚げている途中で衣が破れて、
    ソースが流れ出してしまいます。

  5. ソースができたら、先のカニのなべに入れます
    粗みじんにしたゆで卵も加え、更に卵黄を生クリームで溶いて入れ、
    1〜2分煮て、味をととのえます。

  6. バットにあけて、表面を平らにして冷ましてから、
    12等分して、俵型に丸めます

  7. あとは、小麦粉、溶き卵、パン粉の順に衣をつけて、
    やや高温の油で揚げます


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*パセリの葉のから揚げ

☆ 作り方

  1. 水洗いしたパセリの葉を茎から摘み取ります。

  2. 乾いたふきんに包んで、よく水気を切ります。

  3. コロッケを揚げる前、油が中温くらいのところで、
    パセリの葉を入れます。
    初め、ぱあっと泡が立ちます。はしでかき混ぜると、
    だんだん泡が小さくなり、パセリの葉がかりっとしてきます。

  4. 油こしにあげて、よく油を切り、軽く塩をふって、
    コロッケと一緒にすすめます。


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文・写真(イメージ写真)提供:ひかりのくに株式会社

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