ムッシュ米津の家庭料理
苺のクレ−プ

苺のクレ−プ

2月2日は、フランスではクレープの日です。片手にルイドール(金貨)を持ち、もう片方の手にフライパンを持ってクレープを上手に焼くことが出来たら、その年は幸運が訪れると云います。また、クレープを上手に焼く娘は、家事の切り盛りがうまいから、嫁に迎えると良いなどと云われます。

パリの街角で、どこやらの地方の派手な衣装をつけた人が、直径30センチくらいの丸い鉄板でクレープを焼いています。そばの看板には、グランマルニエ(オレンジのリキュール酒)、ショコラ(チョコレート)、ヴァニーユ(バニラ)、コンフィテュウール(ジャム)と書いて、それぞれ値段が記されています。大人も子供も、クレープの上に好きなものを塗ってもらい、小さく折りたたみ、紙にくるんで熱いのをふうふう吹きながら食べるのです。フランス人はクレープが大好きで、デザートだけでなく、塩味に焼き上げて、料理にも使います。

2月2日は ラ・シャンドルール 「ろうそく祝日 聖母お潔めの日」

クリスマス(冬至)のちょうど40日後にあたる2月2日は、シャンドルールと呼ばれる「聖母お潔めの祝日」にあたるキリスト教徒の祝日です。

聖母マリア様がイエスを神殿に奉献する「お潔め」のユダヤ宗教行事の際、皆がろうそくを持って参列しお祝いしたと云われています。ラ・シャンドルールは「ろうそくの祭り・光の祭り」を意味するラテン語から派生したもので、この日は家庭でクレープを焼いて食べるのが慣わしです。

この祝日はローマの多神教において春の訪れと共に農作業にもどる日でもあり、小麦粉で作るクレープを食べることで、その年の豊作を願う儀式でもありました。また円盤形は太陽崇拝の宗教と関わりが深いと考えられます。キリストと光、その黄金色は太陽をも意味し、その丸い形は幸運の再来を願うものでもあり、その謂われから黄金色で円盤状のクレープを食べる習慣となったのです。

苺のクレープ

材料(4人前)
★クレープの生地(8枚分)
牛乳
200cc
全卵
1個
サラダ油
大匙1杯
小麦粉
65g
砂糖
15g
ラム酒
小匙1杯
★包むものとソース
400g
砂糖
30g
ブランデー
小匙1杯
生クリーム(乳脂肪47%)
200cc
粉砂糖
少々

苺のクレープの作り方

  1. 直径20cmのクレープ用フライパンを用意します。
  2. ふるいにかけた小麦粉と砂糖をボールに入れます。
  3. 別に牛乳、卵、サラダ油を混ぜ合わせ、これを粉のボールに少しずつ混ぜ込みます。
    均一に混ざったら一度漉し、ラム酒を加え、冷蔵庫で30分ほど休ませます。
  4. クレープ用フライパン(なければテフロンのフライパン)で、クレープを8枚焼きます。
  5. 苺のへたを取り、洗って薄切りにします。
    砂糖20gとブランデーを振りかけて軽く混ぜ、20分ほどおいて味をなじませます。
    汁気が出てきますが、この汁はソースに加えます。
  6. 生クリームに砂糖10gを入れて泡立てます。
  7. 苺の半量をザルにあげて汁気をとってから、生クリームに加えて混ぜ合わせます。
  8. 8枚のクレープに均等にのせて、長方形に包むか、あるいは巻きます。
    巻くときは、広げたクレープのやや手前に苺とクリームを平たく帯状にのせ、軽く手でおさえながら、形よく巻きます。
  9. 残りの苺は、漬け汁ごと漉して、火にかけ、ひと煮立ちさせてアクを取り、冷ましてソースにします。
  10. クレープにお好みで粉砂糖を振りかけて皿にのせ、ソースをかけていただきます。

クレープを使ったお料理いろいろ

クレープというと甘いデザートのイメージがありますが、砂糖とラム酒の代わりに、塩と刻みパセリを入れて、塩味のクレープにすると、色々なお料理に使えます。ここでは、スモークサーモン巻きと、かにと胡瓜のマヨネーズ巻きをご紹介しましょう。

塩味のクレープ

材料(4人前)
★クレープの生地(8枚分)
牛乳
200cc
全卵
1個
溶かしバター
10g
小麦粉
65g
ひとつまみ
刻みパセリ
小匙2杯
ラム酒
小匙1杯

塩味のクレープの作り方

  • 苺のクレープと同じ手順で作ります。
    ただし、砂糖とラム酒は入れず、その代わり、塩と刻みパセリを入れます。

スモークサーモン巻き

  • クレープを広げ、スモークサーモンを、重ならにようにのせます。
  • ケッパーと、薄切りにした玉葱をのせ、クルクルッと巻きます。
  • お皿に盛り、櫛形に切ったレモンを添えます。

かにと胡瓜のマヨネーズ

  • かにの身をほぐして、細切りにした胡瓜と共にマヨネーズで和え、クレープにのせて巻きます。

食材について

ケッパー
ふうちょうぼくのつぼみを酢漬けにしたもの

写真提供:暮らしの手帖社(「ムッシュ米津のクッキングクリップ」より)
撮影:原俊彦氏

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