ムッシュ米津の家庭料理
仔牛のコートレット ホルスタイン

"仔牛の肉に小麦粉、溶き卵、生パン粉の衣をつけて、
サラダ油とバターでキツネ色に焼きます。
ニンジンのつや煮などを添えて…。"


カツレツはここから生まれました

カツレツ、なつかしい洋食のひとつですね。
細切りにしたキャベツを添え、揚げたての
カツレツにソースをどくどくっとかける。
「あれでなくては食べた気がしない」とおっしゃる
男性が多いようです。
このカツレツという言葉と、その料理法というと
少し大げさですが、源はやはりフランス料理にあります。

牛、豚、仔牛などの背肉、
一般にリブロースと呼ばれる部分をコートといいます。
コートの中でも、子羊のように小さい食用動物のそれは、
小型のコート、即ちコートレットと呼ばれます。
英語ではカットレット。

このコートレットの料理法の中に、小麦粉、溶き卵、
パン粉の順に衣をつけ、バターの上澄みで香ばしく
焼き上げる方法があります。
日本には、てんぷらがありますね。
そこで、パン粉の衣をつけたコートレットを
油で揚げてみようという発想
が出てくるのは、
ごく自然のことだったでしょう。
日本式洋食、カツレツの誕生です。

バターのうま味が衣にしみ込んで

何も西洋人の物真似ばかりしなくてもよい、日本には
てんぷら”というすばらしい揚げもの料理があるのだから、
「肉にパン粉の衣をつけて、油で揚げてみようじゃないか」
という日本人の発想、すばらしいですね。
カツカレー、カツどん、カツサンドと、その応用の知恵は
とどまるところを知らず、安くて簡単で、ボリュームがあって、
人気絶頂です。
きつね色に香ばしく揚げたパン粉の衣は、はなはだ食欲を
そそりますが、ここでは本格的に、
仔牛のコートレット ホルスタイン」をやってみましょう。
ホルスタインは西ドイツの地名、あのホルスタイン種の
乳牛の産地です。

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ムッシュ米津の料理教室 仔牛のコートレット ホルスタイン

"仔牛のコートレット ホルスタイン" 作り方

 材料 4人前
  仔牛カツレツ用の肉(80g) 4枚
  衣(小麦粉・卵・生パン粉)
  卵 4個
  アンチョビ 4本
  バター・サラダ油  
  即席ジューリエの材料
   −固形スープ 2個
   −白ぶどう酒 100cc
   −コーンスターチ 小さじ2杯1/2
   −粒コショウをひいたもの 少量
   −水 200cc
  トマトソースの材料
   −トマトジュース 400cc
   −フレッシュトマト 400g
   −固形スープ 2個
   −コーンスターチ 小さじ2杯
   −ニンニク 小1片


☆ 作り方

  1. まず仔牛の肉にパン粉をつけます
    仔牛の肉をたたいて5mmくらいの厚さにのばします。
    軽く塩、コショウをしてから、小麦粉、溶き卵、生パン粉の順に
    衣をきせます。
    生パン粉はスーパーで売っている、柔らかく、ふわふわしている
    分です。

  2. 次に目玉焼きを4個作っておきます
    大きめのフライパン(直径が26cm位のもの)にサラダ油を入れて
    熱し、卵の黄身が離ればなれになるように焼き、丸く型抜きして
    おきます。(缶のふたを利用してもよいでしょう)
    アンチョビ(ヒシコイワシを塩辛のようにして、油漬けしたものです)
    を長さに沿って二つに切り、卵の上に十文字に飾ります。

  3. コートレットを焼きます
    大きめのフライパン(目玉焼きを作ったフライパンがよいでしょう)
    に、サラダ油大さじ4杯、バター大さじ2杯を入れて火にかけ、
    衣をつけた肉を2枚入れて焼きます。
    2枚ずつ、2度に焼いた方が、きれいに焼けます。

    本当はバターの上澄みを使いたいのです。
    バターを溶かしてボウルに入れ、しばらく置いておくと、下のほうに
    乳白色の部分が沈殿してきます。
    バターでいためものをすると焦げやすいのは、この乳白色の部分の
    せいなのですね。
    ですから、これを混ぜないように、そっと上澄みだけをすくい取って
    使えば、焦がす心配なしに、バターのおいしさだけを安心して料理に
    使えます。
    でも、こんなこと、家庭では大変ですから、サラダ油2,バター1の
    割合
    で混ぜて使えば、けっこううまくゆきます。

    中火で、きつね色に色づいたら、裏返しして同じように焼きます。
    油がたりなければ、サラダ油とバターを2対1の割合で足します。
    残りの2枚も同様にして焼きますが、最初に焼いたパン粉の残りを
    ふき取ってからにしてください。

  4. 盛りつけです
    コートレットを1枚ずつ皿に盛り、目玉焼きをのせ、まわりに
    即席ジューリエを流しかけます。
    トマトソースでもいいでしょう。

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    即席ジューリエの作り方

    白ぶどう酒に固形スープを加えて火にかけ、粒コショウを引きいれ、
    ほとんどかわく位まで煮詰めて(@※この写真よりもう少し煮詰めてください)
    水を加えます。(A)
    コーンスターチを同量の水で溶いて入れ、とろみをつけます。(B)
    これでできあがりです(C)

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    トマトソースの作り方

    皮と種を取り除いて、粗みじんに切ったトマト、トマトジュース、
    皮をむいてつぶしたニンニク、固形スープををなべに入れて
    火にかけます。(@)
    トマトの果肉が煮くずれたら、目の細かい網でこしてなべに戻し
    (AB※網の裏側も忘れずに)、(こさないで、果肉を残したままでも
    結構です)、弱火にかけ、コーンスターチを同量の水で溶いて
    混ぜ、少し濃度をつけます。(C)
    塩はいりません。コショウだけ少し入れて仕上げると、
    やさしい赤い色をしたソースができあがります。(D)
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    つけ合わせ

    ニンジンのつや煮、ほうれん草のバターいため、マシュドポテト、
    生野菜のサラダ、何でも結構です。
    コートレットと一緒に盛らずに、別の器に入れて食卓に出す方が
    いいでしょうね。

ただ、気になるのは「仔牛肉が手にはいるかどうか」ですね。
仔牛肉っていうのは、親牛になる前の、子供の牛肉ではなくて、
それ専用に飼育
されたものです。床が高く、湿度が低く、
風通しのよい場所で、脱脂粉乳で育てるのだそうです。

現在では、ほとんど外国産のものを使用しています。
身がやわらかくて、脂肪が少ないのが特徴です。
少しばかり乳くささがありますが、よく火を通すことが
ポイントといえましょうか。

もちろん、手に入らなければ、豚のもも肉やトリの胸肉をを使って、
このカツレツのルーツ、コートレットを試してみてください。


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文・写真(イメージ写真)提供:ひかりのくに株式会社

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