ムッシュ米津の家庭料理
シュークルートとピクルス
"細切りキャベツを塩漬けにして発酵させたシュークルート、
ウィンナーソーセージやハムなどと一緒に煮込んでもおいしい
ものです。"
よく冷えた白ワインが合います
フランスとドイツの国境近くにあるアルザス・ロレーヌ地方は、
美食家が多いようですね。
郷土料理の中にも、豪華なポテ(スープの一種)、いろいろな
豚肉加工品、カエル、ザリガニ、ガチョウのドーブ(シチュー)と、
枚挙にいとまがないほどです。
私も訪れたことがありますが、料理がどれもどっしり、
堂々としているのが印象的でした。
その中でもうれしかったのはシュークルート。
大皿に、ほどく発酵して、甘ずっぱい香りのする
シュークルートを山のように盛り上げ、
塩漬けにして2,3時間くらいゆでた豚のスネ肉、大きなジャガイモを、
これもまた、たっぷりのせて出てきます。
よく冷えた白ワインやビールを飲みながら、豚肉をかじり、
シュークルートのすっぱさを味わっていると、
時間のたつのも忘れてしまうほどでした。
さわやかな酸味が食欲をそそります
キャベツを刻んで塩漬けにし、日本の古漬けみたいに発酵させた
シュークルート(酢キャベツ)は、もともとドイツの料理です。
ドイツでは、ザワークラウトといいます。
最近、缶詰で出まわっていますね。
本格的に発酵させるには、三週間くらいかかるのですが、
即席でやってみましょうか。
暑い季節、さわやかな酸味が食欲を助けてくれます。
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"シュークルート " 作り方
材料 4人前 |
漬け込み用 |
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−キャベツ |
1kg |
−粗塩 |
25g |
−酢 |
200cc |
−水 |
400cc |
−チョウジ |
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翌日の煮込み用 |
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−ベーコン |
50g |
−固形スープ |
1個 |
−水 |
100〜200cc |
−ウインナーソーセージ |
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−ハム |
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−コーンタン |
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−ジャガイモ |
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☆ 作り方
- 漬け込みです。
まずキャベツを細切りにし、大きめのボールに入れ、
粗塩25グラムを全体にまぶして、2−3時間その
まま置きます。
水が出てきますね。この水は捨てます。
さらにキャベツを軽くもんで水をはかせ、水分をよく
絞って、別のボールに入れます。
水400ccと酢200cc、チョウジ(丁字)の粉末少量を混ぜて、キャベツにかけ、
ひと晩置きます。
チョウジっていうのは、アジアのモルッカ諸島、フィリピン、またはアフリカに
生える植物の、うす紅色の花のつぼみを乾燥させたもので、かたちは
褐色の折れくぎ状のもので、とてもとても強い香気をもっています。
他の香料とブレンドして、肉料理に使用することが
あります。
- キャベツの煮込みです。
さて、翌日。ベーコンを細切りにして、なべの底に散らし、漬け込んだキャベツを
平に入れます。
キャベツの漬け汁、水、固形スープを砕いて入れ、コショウをふり入れます。
ふたをして、弱火で30−40分間、
キャベツがやわらかくなるまで煮るのです。
途中、煮詰まるようでしたら、水を少したしてください。
煮上がりぎわに、ウインナー、またはフランクフルトソーセージ、ハム、コーンタン
(牛の舌の塩漬けにしたもの)などを入れてあたため、なるべく素朴な感じに
大皿に盛って食卓へ。
お好みで取り分け、召し上がってください。
ジャガイモを姿のままゆで、粉ふかしにしてつけ合わせるのも、かえって田舎風で
いいでしょう。
このシュークルートは
多い目に作って冷蔵庫に入れておき、冷たい肉料理のつけ合わせにしたり、軽く絞って、
ハムなんかと一緒にサンドイッチやホットドッグにはさむのもおいしい召し上がり方です。
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かりかりとした歯ざわりのピクルス
すっぱさを楽しむ野菜の仲間として、ピクルスの漬け方もご紹介しておきましょう。
"ピクルス " 作り方
材料 |
キュウリ |
1kg |
粗塩 |
50g |
砕き氷り |
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漬け汁 |
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−アップルビネガー |
1リットル |
−砂糖 |
200g |
−ニンニク |
30g |
−タカノツメ |
1.5−2本 |
−ベイリーフ |
1枚 |
−砕いた粒コショウ |
小さじ1/2杯 |
☆ それでは作ってみましょう
- キュウリはなるべく種の少ないのを選んでください。
1キロでだいたい10本くらいあります。
キュウリの両端を切り、皮のかたいところはむいて、
5ミリ厚さの斜め切りにします。
- ひらたいバットに入れ、塩50グラムをふり、
砕き氷をキュウリにおおいかけ、そのまま3時間
置きます。
こんなふうに塩氷に漬けておくことが、
カリッとした歯ざわりに仕上げるコツなのです。
冷蔵庫で作るキューブアイスなら、ふきんに包んで
砕いて使うとよいでしょう。
- そのあと、氷をとりのぞいてざるにあけ、
かわいたふきんの上に並べて水気を切ります。
- 底の広いなべで漬け汁を煮ます。
アップルビネガー、砂糖、薄皮をむいて半分に切った
ニンニク、タカノツメ、ベイリーフを加え、煮立った
ところにキュウリを入れます。
よくかき混ぜながら、煮上がる直前に火からおろし、
別のボールに移しかえ、水を張った洗いおけに浮かべて、
出来るだけ早く冷まします。
- においのついていない、清潔な空きびんに詰めて、冷蔵庫で保存します。
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はたして、かりかりっとした歯ざわりに仕上がっているでしょうか。
ぜひ試してみてください。
砂糖の量は好みで、増減してください。
花メロンも縦6〜8っ割にして、同じように漬けてみてください。
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文・写真(イメージ写真)提供:ひかりのくに株式会社
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